ゆっくりと日本列島に接近している台風10号。 今後の進路によっては、6年前に関西に上陸し、甚大な被害をもたらした台風21号と同じようになる恐れもある。

台風の接近まで少し時間がある「今してほしい備え」を気象予報士の片平敦さんが解説する。

【動画】「台風10号進路は当初より西へ大回り」近畿は30日に「大雨や暴風の恐れ」【片平さん解説】

■台風10号は「速度遅く影響が長引く恐れ」「週後半に近畿地方へ」

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片平敦 気象予報士:まず台風10号の今後の進路予想。台風は今、風速25メートル以上の暴風域を伴っている状況で、速度が遅いというところが1つの特徴です。つまり影響が長引く恐れがあります。 この後の進路は、台風がどんどん勢力を強めながら北上してくる見通しで、海が暖かいので、台風のエネルギー源があるような状況です。

 28日になっても、『非常に強い勢力』まで発達しながら、九州の南にまだあるような状況。この後は進路を次第に北寄り、東寄りに変えてくる見通しで、当初の予想よりも、ずいぶん遅くなりましたが、今週後半、29日(木)~30日(金)~31日(土)あたりにかけて、近畿地方にかなり近づいてくる状況になります。 雨や風も強まってきて、荒れたお天気になる恐れもありますから、今後の情報に引き続き、気を付けてください。

■今からできる台風への備え

これから先、備えてもらいたいことは?

片平敦 気象予報士:

『ハザードマップを見て、避難場所・避難経路の確認をする』 みなさんのいる場所が、本当に危ない場所かどうなのかも含めて確かめて、いざという時の行動を確認して欲しいと思います。 これは家族で確認してもらいたいです。

『側溝や排水口の掃除』枯葉やゴミが詰まっていると、雨が降ったことで詰まって、あふれてしまうことがあります。 雨が降っている最中は非常に危険ですので、そうなる前にしっかりとしておいてください。 暑いですから熱中症に気をつけながらやってください。

『食料などの備蓄』食料に加えて、例えば持病がある方は薬も用意しておいてほしいですし、小さなお子さんがいる場合、ミルクだったりオムツなども必要です。

『車への給油』避難の際などに備えて、できるだけ早めにしておいてください。

■「前日」の備えとは

台風が近付いてくる「前日」にやってほしいことは次の通りだ。

片平敦 気象予報士:

『飛びそうな物を家の中へ』どこか飛んでいってなくなっちゃうというだけではなく、これが人に当たるとけがをさせてしまい、加害者になってしまうことがありますから、必ず室内に取り込んでおいてください。

『窓の補強』養生テープなど、割れないようにしたり、割れても飛び散らないように補強することも大事です。

『停電・断水への備え』風が強いときは停電が起きることがあります。台風が近づく前日ぐらいには、停電への備えとして、スマートフォンを充電しておいたり、懐中電灯を用意したりしておくことも重要です。断水に備えて、保存用の水を用意するほか、除菌できるウェットティッシュを準備しておくのも有効です。 万が一のことではありますが、早めに備えておいた方が大切になります。

■長時間の停電に備えを

停電についての備えは非常に重要だという。

関西テレビ 神崎博報道デスク:関西に直撃した台風21号ですと、風が強すぎて、電線が切れたり、電柱が倒れたりして、結構停電の影響がありました。 関西ではおよそ1万戸が停電し、長い所では1週間ぐらい続きました。 停電に対する備えとしては、数時間では回復しない、せめて『2、3日は続くかも』と覚悟してもらったほうがいいと思います。

 いま注目されてるのはポータブル電源といって、持ち運びできる家庭用のバッテリーです。キャンプで使っている方もいると思います。ちょっと値段は高いのですが、用意してもらうと暑いいま、扇風機を動かすこともできます。10時間から20時間ぐらい扇風機を回せるぐらいの容量のバッテリーもありますので、そういったものをお金に余裕があれば、用意してもらうのもいいのかなと思います。

(関西テレビ「newsランナー」2024年8月26日放送)

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