記憶が蘇る30年前の暗い元号発表

新しい元号が「令和」に決まった。
そして30年前の暗く沈んだ新元号の発表を思い出した。
昭和64年1月7日、6時33分に昭和天皇は崩御された。
僕はその日、宮内庁の泊りだったのだが、明け方に起こされてずっと走り回っていた。

そして午後2時過ぎに小渕官房長官が、「新元号は平成」と読み上げるのを宮内庁クラブのテレビで見て、とにかくホッとした。
自粛が続いた昭和天皇崩御の時

昭和天皇が前年の9月に倒れて以来、街は自粛ムードでネオンも少なく、暗く沈んでいた。
国民は新元号発表の喜びよりも、昭和の終わりを悲しんでいた。
「時代」が突然変わってしまったのだ。
今回、天皇陛下の生前退位については「政治的発言ではないか」という批判があったが、やはりあれでよかったのだと思う。

日本国民はこれから1カ月かけて平成という古い時代を終え、令和という新しい時代を始めることができる。30年前の混乱よりもよほどいいと思う。
個人的には令和の「令」はご令嬢、ご令息の「令」の、上品なイメージがあって僕の好きな漢字だ。これまで自分が生きてきた昭和、平成より令和の方が好きかも。
「御代替わり」の厳粛な時
ついでに言わせてもらうと有識者会合での、宮崎緑さんのヘンテコな着物姿はダメだと思う。ネット上では「卑弥呼のようだ」と揶揄されていたが、映像を見てギョッとした。

新元号発表は日本人にとって時代に一区切りをつける厳粛な時だ。一人だけ変な格好で目立ってはいけない。
明るさもほどほどにしてほしい。
また一部政党や議員らが新元号にケチをつけているが、これも同じで、日本人は今、静かに「御代替わり」をしているところなのだ。なぜ国民の税金から給料をもらっている人たちが余計なことを言うのか。
あと一カ月で新しい時代が始まる。
そこでまず我々がやらねばならないのは皇位の安定的な継承を考えることだ。悠仁様に男のお子様が生まれなければ日本に天皇がいなくなってしまう可能性がある。女性宮家の創設、旧宮家の復活、そして女性、女系天皇についても、まともな議論をすぐに始めなければいけない。
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