兵庫県・斎藤知事の一連の疑惑やその告発について取材を続けている、関西テレビ・神戸支局の鈴村菜央記者が解説する。
■証人尋問は非公開 「フロアにも」記者近寄れず

関西テレビ神戸支局 鈴村菜央記者:1日で6人の職員の尋問が行われましたが、すべて非公開で、報道陣もフロアに立ち入ることができない厳戒態勢が敷かれていました。 23日の百条委員会の大きな動きは、職員アンケートの中間報告です。 124ページで、職員およそ4500人からの回答がまとまっています。 斎藤知事は23日午後、アンケートについての受け止めを聞かれると、用意した紙を取り出して読み上げる形で回答。 その内容も「コミュニケーションが不足し、不快な思いをさせた」、「よりよい県政をしていきたいという思いだった」などのこれまでの発言と何ら変わらないものでした。
■Q一連の真相解明にアンケートの影響は?

発端となった元県民局長の告発文書を「事実無根」、「嘘八百」と切り捨てて処分までした、県や知事の対応への疑問がさらに強まることになる内容と言えます。 23日、私が特に気になったのが、取材対応で齋藤知事が回答について「人づての伝聞が含まれている」ことを何度も強調したことです。 「人づてで違う形で捉えられた」とも繰り返し、回答内容に疑問が残ると強調しているようにも捉えることができます。
■職員は犯人捜し怖く「あえて伝聞で回答」

一方で、これまで私たちが実際にアンケートを提出した職員に取材したところ、「疑惑について直接見たがあえて『人づてに聞いた』と回答した」という方も複数いらっしゃいました。 理由を聞くと、「県のことは信用できず、元県民局長のように犯人捜しされるのが怖い」と話していました。 これまでの知事や県の対応に恐怖心を抱きながら、なんとか回答した職員も一定数いるとみられます。