県職員アンケート:
(人づてに聞いた)機嫌が悪いとタブレットや資料などを投げる。
(人づてに聞いた)すぐに怒鳴る『暴君』。
(職員から聞いた)瞬間湯沸かし器。

これは、斎藤知事のパワハラについて、県職員が見たり、聞いたりした情報を記したアンケートの内容だ。

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ことし3月、元西播磨県民局長(60)が斎藤知事のパワハラなどの疑惑を告発した問題で、百条委員会は真偽を調べるために、県職員およそ9700人にアンケートを実施。

関係者によると、今月5日までの中間報告で、知事のパワハラについて、「実際に知っている」や「人から聞いた」などと回答した職員が38.3パーセントに上ることが分かった。

■「イベントにマスコミが来ないと怒る」「姿見がないと怒る」

この結果について斎藤知事は20日、詳細を把握していないため、回答は差し控えるとしたが、記者からは質問が相次いだ。

記者:アンケートで、知事が出席するイベントにマスコミが来ないと怒ると記載があったが、事実としてありますか?
兵庫県 斎藤元彦知事:まずありません。イベントがある際にしっかり事前の周知をやるのは必要だと考えています。『きちっとやってください』と指導した。結果として(マスコミが)来なかったことに、私が怒鳴ったりはありません。

記者:控室に姿見(鏡)がないと怒ると回答もあったが、事実としてありますか?
兵庫県 斎藤元彦知事:ありません。

■「エレベーター乗り損ね『お前はボタンも押せないのか』と怒鳴りつけた」

また、アンケートにはこのような回答もあった。

県職員アンケート(職員から聞いた):知事がエレベーターに乗り損ねたときに、『お前はボタンも押せないのか』と大声で怒鳴りつけた。

兵庫県 斎藤元彦知事:そういったことをした認識は私はない。業務上に必要な範囲内で、さまざまな業務に関する指摘・指導をしたことはあります。

「公用車内で激怒し、前方座席を蹴った」との記述については…

兵庫県 斎藤元彦知事:どういう背景、どういう状況の中でそういうことをしたのか、整理されていないと、その問題がハラスメントにあたるかどうか分からない。

個別のアンケート回答について、斎藤知事は「ハラスメントの事実はなかった」と繰り返し強調した。

回答の中には「受け取った側がパワハラと感じた時点でパワハラ。上に立つ人は“厳しく叱責”するようなことはすべきではない」という記述も。

今月23日の百条委員会ではアンケートの一部が公表される予定で、斎藤知事は結果を見たうえで、受け止めについて話したいとしている。

■「今までこういった声が出てこなかった。これをどう変えていくのか」

大阪大学大学院 安田洋祐教授
大阪大学大学院 安田洋祐教授

紹介した職員の声は一部だ。さまざまな具体例をあげて、回答しているということだ。

このような声が続々とあがることに対して、「newsランナー」コメンテーターの大阪大学大学院・安田洋祐教授は「今までこういった声が出てこなかった。これをどう変えていくか」と指摘した。

大阪大学大学院 安田洋祐教授:まずこういった声の多さに驚いているんですが、同時に今までこれが出てこなかったということですね。内部にパワハラに対する告発窓口があったのですけれど、県庁の中で安全性や匿名性が確保できないといった背景がおそらくあるので、こういった声が出てこなかった。明らかになりつつあるパワハラの実態も重要なんですが、今後どう変えていくのかというのが、合わせて大切かなと思います。

斎藤知事は20日の会見でコメントを差し控えるとしたが、30日の百条委員会でしっかりと説明してほしい。

関西テレビ 神崎博報道デスク:今のところ、これだけパワハラの声はあるのですが、斎藤知事は『業務上の指導の範囲』ということで、パワハラを否定してるわけです。ただ百条委員会で、実際にアンケートの細かい内容が出てきた上で、客観的に見て『この行為はパワハラじゃないのか』という、ある種の裁定が出ると思いますので、それに対して知事がどう弁明するのか。もしもそれでパワハラが認定されれば、何らかの処分が必要になると思います。

職員の方々の声をしっかりと反映させる形での実態解明を進めて欲しい。

(関西テレビ「newsランナー」 2024年8月20日放送)

関西テレビ
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