四万十町大正地域で6年ぶりに開催されたのはどろんこまみれの運動会。地域住民の熱意で復活したこの運動会は、チームワークとユーモアあふれる競技で大盛り上がり。普段は静かな山里に歓声が響いた。

6年ぶりの「どろんこ運動会」

「よーい、スタート!」のかけ声とともに、一斉に走り出した選手たちは、泥を被りながら網をくぐっていく。時には思いっきりジャンプして、全身泥だらけに。

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四万十町大正地域の中津川集落の住民が運営する「どろんこ運動会」は今回で14回目の開催となる。新型コロナウイルスの影響で中止が続いていたが、住民たちが「地域を盛り上げたい」と6年ぶりに復活させた。

「どろんこになります!」と意気込むのは、四万十町内を中心に集まった6人1組の8チーム。10種目で優勝を争う。

最初の競技はチームワークが勝負を決める「6人7脚」。足をしっかりしばったら全身を泥の中へ。ゴールの旗をつかむと選手たちの顔には満面の笑みが広がる。

大阪から来た地域おこし協力隊は「どろどろになる機会がないんで、はっちゃけて大の大人が楽しんでおります」と笑顔で語る。

全身泥まみれでもみんな笑顔に

続いては「波乗り」ならぬ「泥乗り」で速さを競う「どろんこサーフィン」。

腰を落としてバランスを取るが、引き手が引っ張るスピードが速いと転倒してしまう。参加した女性は、泥で前が見えなくなったものの、「めっちゃ楽しかった」と話した。

四万十町に来て5年目の初参加者は、「田植えも今は機械で行いますが、泥の中に入って子どもに戻って遊ぶのがすごく楽しいです」と話していた。

どろんこ女相撲での熱戦

次は、まわしをしめて気合いを入れる選手たちが登場。今度は泥の土俵で女相撲に挑戦だ。

観客に「見てどうですか?」と尋ねると、「最高です、一番似合ってる」「もう優勝しかないです」との声が。

おっかなびっくり組み合う女性たちが多い中、行司の「残った!」の声とともに、横綱ばりの強さを見せる選手も。他の選手も驚きの表情を浮かべた。

泥の中で繰り広げられるユーモラスな真剣勝負に観客も選手も大盛り上がりで、普段は静かな山里に歓声が響き渡った。

中津川集落を来年も盛り上げる!

「中津川集落は人が集まることが少ないですが、今年のどろんこ運動会をきっかけに、またいろんな人が来てくれるとうれしいです」と笑顔で話すのは、どろんこ運動会実行委員長の立岡陸さん。

「想像以上に皆さん盛り上がっていて、僕もうれしいですし、何より地元の方々が笑顔で見守っている姿がすごくいいなと思いました」と語る。

中津川のどろんこ運動会は2025年も開催予定で、町外からのチームも大歓迎だという。

(高知さんさんテレビ)

高知さんさんテレビ
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