福島県福島市の飯坂温泉で人気の共同浴場「鯖湖湯」。200円と手頃な入浴料で親しまれてきたが、2025年2月からは200円値上がりし400円になりそうだという。
維持するための苦肉の策
8月8日に福島市飯坂町で開かれた会議。飯坂温泉の源泉の管理などを行う「飯坂町財産区」が8カ所の公衆浴場で、入浴料を200円値上げする見直し案を決定した。
この記事の画像(5枚)福島市飯坂町財産区管理会の紺野正敏会長は「共同浴場がなくなれば、もっとみなさん困ると思う。これを維持していくためには、どうしても必要な値上げということで、ご理解頂ければ」と話す。
設備の老朽化に利用者減少
手頃な入浴料で親しまれてきた、飯坂温泉の共同浴場。一方で近年は利用者の減少が続き、現在は年間で約850万円の赤字が出ている。また、温泉をくみ上げるポンプなどの設備も老朽化が進み、整備には2億5000万円ほどの財源が必要だという。
共同浴場の利用者からは「やはり倍になるのは、結構大きい」「長く入れるようにするには、多少値上げするのはしょうがない」との声が聞かれた。
廃止に踏み切った公衆浴場も
経費削減のため営業時間の短縮なども盛り込まれた今回の見直し案。それだけではなく、共同浴場の中で利用者数が最も少ない「切湯」は、建物の保全が難しく2024年11月で廃止になる。「安定した供給ができるような方法を模索していかなくてはいけない」と紺野会長は語る。
存続に向け岐路に立つ共同浴場。福島市は、高湯温泉など別の地区での値上げも含めた見直し案を取りまとめ、2024年9月の市議会定例会に提出する方針だ。
(福島テレビ)