熱中症対策として「マイボトル」を持ち歩く人が増えている。マイボトルの中身は麦茶や清涼飲料など様々だ。また最近は街中に無料の給水所も見かけるようになった。マイボトルが生活に普及する中、「大容量化」や「手入れのしやすさ」など水筒やタンブラーの機能も進化している。
場面ごとの熱中症対策に適した飲料
鹿児島市の繁華街・天文館で、「マイボトルの中身は何が入っているか」と聞いてみたところ「麦茶」や「水」といった回答や、「朝はコーヒー、昼ご飯の前はお茶、その後は清涼飲料水」のように中身を替えながら楽しむ人もいた。マイボトルが生活に欠かせない人は多いようだ。
この記事の画像(20枚)鹿児島テレビがマイボトル事情について行ったアンケートでは、9割の人が「マイボトルを持っている」と回答した。ボトルの中身については、ほぼ半数が麦茶で、次に多かったのは水、続いてコーヒー、緑茶だった。
熱中症対策として、どんな飲み物が適しているのだろうか。鹿児島県栄養士会の監修のもと、「日常生活」と「運動や炎天下の活動」に分けてまとめてみた。
日常生活においては水や麦茶、緑茶など、日頃口にする飲み物は問題なく、スープやみそ汁など食事による水分補修も取らないより取った方がよいという。一方、運動や炎天下の活動は汗をかくため、スポーツドリンクや経口補水液がよりおすすめだ。
広がる給水機の設置は無印良品でも
鹿児島テレビでは、マイボトルを使う理由についても調査した。「氷を入れて冷たい物をいつでも飲めるから」や「毎日ごみを出さないため」「買うよりも経済的だから」といった環境や節約を意識した回答がある中、「給水スポットも増えたので便利」という回答があった。
実は鹿児島市内では、商業施設「センテラス天文館」とJR鹿児島中央駅の東口前広場の観光案内所に給水器が設置されている。このうち鹿児島中央駅の給水機は、高さ約72cmと、バリアフリー対応の造りとなっている。
給水機の広がりは、世界中に1000を超える店舗を構え、幅広い品ぞろえがある「無印良品」にもあった。「プラスチックごみを減らすために私たちにできることは何か」というテーマで、2020年から始まった「無印良品の水プロジェクト」だ。
無印良品は「ボトルを捨てる」のではなく「ボトルに詰め替える」ことに着目して、「自分で詰める水」を提案している。全国498店舗(鹿児島県内4店舗)で、フィルターを通した水道水を無料で給水できる。
買い物客の中には、無印良品でボトルを買って給水機の水を入れて飲むといった使い方をする人もいるようだ。
用途に合わせてマイボトルを選択
エコで節約もできるマイボトルは、需要の高まりとともに機能も進化している。鹿児島市の商業施設「マルヤガーデンズ」にある鹿児島ロフトで取材した。鹿児島ロフトでは、水筒やタンブラーを約150種類取り扱っていて、2024年のトレンドは「大容量」だという。
「キントー ウォーターボトル」(950ml 税込み1980円)は、約1リットルの水が入り、大容量ながらボトルは約120gと超軽量。ガラスのような透明感と人気のくすみカラーが特徴で、蓋にハンドルが付いているので、持ち運びもしやすいデザインだ。
マイボトルで面倒なのが日々の手入れだが、底の部分が取り外しができる商品もある。「そこまで洗えるボトル」(800ml 税込み2728円)は、衛生面が気になる人にはとっておきのアイテムだ。
このほか、栓とパッキンを分解しなくてもすむ“シームレスタイプ”のボトルや、“炭酸飲料をおいしい温度で持ち歩けるボトル”など、需要の高まりに合わせて多種多様な商品があり、マイボトル生活も広がりが出ているようだ。
子どもと高齢者の水分補給には工夫を
スポーツドリンクには砂糖や塩分が含まれているため、子どもに飲ませるのをためらう保護者も多いが、最近は乳児でも飲めるスポーツ飲料が販売されている。
鹿児島県栄養士会によると、5歳くらいまではスポーツドリンクを10倍に薄めて、高齢者は3倍くらいに薄めて飲むのがよいという。
お気に入りのマイボトルを使って、こまめな水分補給をしながら暑い夏を乗り切っていきたいものだ。
(鹿児島テレビ)