線状降水帯の発生や二度の特別警報など、記録的な大雨に見舞われた山形県。最上町の瀬見温泉では、土砂崩れで設備が壊れ一部の旅館が営業できない状態となっていて、人の手で片付け作業が続けられている。
リニューアル直後の大浴場も被害
大雨の被害に遭った瀬見温泉・観松館。7月27日に訪れると、土砂の影響か、駐車場にあった車は流れてきた木や泥に覆われ、動けない状態になっていた。
この記事の画像(5枚)最上町の瀬見温泉では、温泉街の後ろにある瀬見温泉スキー場跡地で大規模な土砂崩れが発生し、創業約150年の老舗旅館・観松館の大浴場と駐車場に土砂が流れ込んだ。大浴場は6月にリニューアルされたばかりだった。
7月31日は、宮城のボランティアや地元の高校生も加わり、従業員も総出で片付け作業を行っていた。
最上町の高校生は「実際見みると土砂がすごい。初めて見る光景なので驚いている。ここからまた温泉街が発展していくのを祈っている」と話し、従業員は泥をかき出しながら「早く復旧させたい」と語っていた。
営業休止の旅館も…行政の支援を要請
観松館によると、土砂の影響で源泉を大浴場に送るポンプが水没し故障しているという。
このため観松館は8月31日まで営業を休止する予定だが、高橋裕社長は「撤去や修繕にある程度時間はかかるので、もしかしたら営業再開は9月にずれ込むかもしれない。ちょっとわからない。その間、売り上げはない。従業員の給料支払いもあるので、行政の支援があるとうれしい」と窮状を語った。
そして高橋社長は、視察に訪れた地元選出の加藤鮎子衆院議員に厳しい現状を訴えた。
被害の状況を聞いた加藤鮎子衆院議員は、「災害は被災した方々に責任はありませんから、国として県としっかり連携できる限りの支援をしていきたい」と述べた。
瀬見温泉には旅館が6軒あり、7月31日現在、観松館を含め2軒が営業を休止している。
(さくらんぼテレビ)