全国の川で水難事故が相次いでいる。宮崎県綾町の綾北川では7月、川遊びをしていた男女5人グループのうち3人が流され、このうち20代の男性1人が死亡した。川で遊ぶ際、危険をどう察知・回避すればよいのか。安全を確保する方法は?専門家に聞いた。
水辺の安全講習会でインストラクターなどを務める水難救助のスペシャリスト、池辺美紀さん。池辺さんは、「綾北川の現場はかなり危険な場所だった」とみている。

水難救助のスペシャリスト 池辺美紀さん:
特に濁っていたので、深さが分からない。見るだけではわからないが、流れも急な流れになっていたと思う。

池辺さんは、川で遊ぶ時には、入る前に「木の枝」などを投げ入れて、川の流れを確認することが大切だと話す。流れが緩やかなところに投げ入れれば、「木の枝」はあまり流されない。ところが流れが急なところに投げ入れれば、「木の枝」は急速に流されていく。
こうやって安全かどうかを流れを確認することが大切だという。

川の流れが緩やかな場所は、下流から上流に向かって水が流れる反転流ができているため、すぐに流されることはないという。
浅く見える場所でも急に深くなる
また、川は一見浅く見える場所でも急に深くなることが多い。

池辺さんは「ひざを超えてしまうと危険が潜んでいると考えた方がいい」と警鐘を鳴らす。

早瀬純哉記者が川に入り、ひざの深さのところから1~2歩奥まで進むと体が浮くくらいの深さとなった。

その後も岸に上がろうとするが、なかなか足がつかない。
池辺美紀さん:
水位が胸の深さ以上になると、ゆっくりな流れでも、動水圧で体を持っていかれる。こうした場に入るときは必ずライフジャケットが必要。

ライフジャケットは体に密着したもの、こども用であれば股紐がついているものを選んだ方がよいということだ。
池辺さんは「川遊びをするときには必須。ライフジャケットを着けていないとかっこ悪いというような風潮にしていきたい」と語った。
(テレビ宮崎)