連日、外に出るのも嫌になるような暑さが続いている。そんな中で、少しでも「涼む」にはどうしたらよいのか、取材してきた。
■同じ場所でも子どもは大人のプラス7度に 子どもの熱中症に注意

大阪市内の保育園では子どもたちが、冷房のきいた部屋で遊んだり、歌ったりしていた。
子どもたち:あつい!あつい!
この保育園では、気温や湿度などをもとに算出する、「暑さ指数」が31を超えたときは、外遊びをしないことにしていて、7月に入ってから、ほとんど外遊びはできていないということです。
子ども:公園であそんだらあつくなる。あつくなるから日焼けどめしないと。

実は、地面からの「照り返し」などの影響で、地表付近のほうが気温は高くなる。同じ場所にいても、大人の胸の高さより子どもの胸の高さの方が、気温が7度も高くなることがあり、子どもの熱中症の回避には、細心の注意が必要だ。
みなみの森保育園 小島璃華園長:カーテンをずっと閉め切って、(窓が)ガラスなので特に日差しの影響受けやすくて、エアコンがきかなくて、室内熱中症になりやすいので。外での活動をメインにしている日はもうないですね。
■認知度は低いが…「クールオアシス」 猛暑の外出中の一時避難所として 対策進む

でも、どうしても外に出ないといけないこともある。
街の人:今は移動で仕方ないんで、出ているんですけども。くそ暑いです。
街の人:すぐに地下入ります。ぎりぎりまで地下で歩いて、上に上がるという感じ。

そんな中で、「おでかけ中に涼みたい!」という人のために、こんな対策も進んでいる。
関西テレビ 吉原功兼キャスター:こちらのドラッグストア、クールオアシスに指定されています。はぁー、生き返る!涼しい!
これは、大阪府が取り組む「クールオアシスプロジェクト」。 猛暑の際、外出中の一時避難所として15分を目安に利用することができ、現在、民間の施設・店舗などおよそ2000軒が登録されている。
サーモグラフィーで見てみると、店の外にいるときは全身真っ赤なのに対し、中に入ってしばらく時間がたつと、温度が下がっているのが分かる。
管理薬剤師 美濃詩織さん:無料の給水機がありますので、そちらの方のお水をお渡ししたり、体調がしんどそうな方を見かけた時は、サンプル品の(塩分チャージの)タブレットとかもお渡ししている。
しかし、「クールオアシス」の認知度はまだ低く、知っている人はほとんどいなかった。
関西テレビ 吉原功兼キャスター:ここ、クールオアシス。
買い物客:へぇー。そういうステッカーも初めて見ました。
買い物客:ありがたいですね。今から車で帰るんですけど、それまでに涼むとクールダウンして帰れるので。
■「去年からやたらと差すように」男性用の日傘が人気

そして今、少しでも「涼む」ために、人気を集めているものが日傘だ。特にニーズが拡大しているのが、男性用の日傘。 神戸市の百貨店では、去年の同じ時期に比べて、3倍ほど売り上げを伸ばしているということだ。
大丸神戸店 林美結さん:最近は男性のお客さまが、ご自身で売り場に来られて、購入されるケースが多い。サラリーマンの方で通勤用に使うために、購入するお客さまもいらっしゃいます。
雨傘としても兼用でき、持ち運びしやすい軽いものが売れ筋となっている。

買い物客(70代):今まで帽子かぶったりしてたけども、帽子ではもたんわ、暑くて。ここらへんが暑い、肩とか背中が。
買い物客(50代):ことし初めて日傘を使って、すごくいいなと感じたから、仕事用と普段用と、もう1本ほしいなと思って。
街で話を聞いてみても…
街の人:去年ぐらいから。最近やたらとさすようになりました。全然違いますね、日陰に入っているような感じなので、風が吹いたらだいぶ涼しい。
これまでは、女性が使用するイメージも強かった日傘。 この異常な猛暑の中で、少しでも「涼む」ための選択肢として、必要性は増していきそうだ。
■電気・ガス料金の値下げが8月から復活

近畿地方では7月上旬の平均気温が、平年と比べて2.7℃も上がっている。この暑さがどれくらい続くのか、気象予報士の片平さんは「あと1カ月は同様の酷暑が続く、気象台も異例の呼びかけをしている」という。
そして「毎日、暑いけど、物価も上がってエアコンつけっぱなしはもったいないな」と感じている方は多いと思うが、8月からは光熱費の補助が復活する。
モデル的なケースでは、電気料金は7月使用分7,664円から6,624円に。ガス料金は7月使用分から6,467円から5,916円になり、合わせて平均1,591円値下がりするということだ。
7月分は補助がなかったから、8月から補助金再開ということになる。

大阪大学大学院 安田洋祐教授:夏は電力需要が増えるので、本当に電気の節約を考えるんだったら、値段がある程度高い方が良いのかもしれないんですけど、やっぱり命の危険性があるほどの暑さなので、ここで電力代を下げて、きちんと『皆さんエアコンを使いましょう』というのはいい取り組みだと思います。
この後も命に関わる暑さは当分続きそうだ。我慢せずにエアコンなどを適切に使用していただきたい。
(関西テレビ「newsランナー」2024年7月30日放送)