熊本市電の2両編成の車両が熊本駅近くで走行中に脱線、けが人はいなかった。8月1日の開業100周年を前に、またも発生した熊本市電のトラブルは、2024年に入って10件目で最も重い『重大事故』となった。

脱線後に運転士が安全確認せずにバック

7月26日午前11時すぎ、熊本市西区の田崎橋停留所から二本木口停留所に走行していた健軍町行きの2両編成の熊本市電の運転士が、ポイント付近で異音と衝撃を感じたため市電を停車した。

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車両は、脱線したまま4.7メートル走行。運転士が車両をバックさせ、車輪はレールの上に戻ったということだ。乗客乗員4人にケガはなかった。

通常の運行手順では走行中に異常を感じた場合、その場で安全確認が求められているが、運転士は無線で報告せずに車両をバックさせていた。「パニックになった」と話しているということだ。

『重大事故』2024年に入りトラブル10件目

この事案について、熊本市交通局は国の基準に照らし『重大事故』とし、会見で「重大事故になります。重大事故になりかねないのが『インシデント』。起こっているので重大事故」と述べた。

8月1日の熊本市電開業100周年を前に発生した2024年10件目の運行トラブル、記念式典の開催については、熊本市交通局の松本光裕次長は「関係者と協議したい。やめるのかというお尋ねには、今から検討します」と回答した。

脱線の原因は調査中で、熊本市交通局は九州運輸局の指示で現場保存を行っていて、復旧のめどは立っておらず、熊本駅前で折り返し運行を行っている。

(テレビ熊本)

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