兵庫県立こども病院で心臓病の男の子に行った手術で医療事故があり、脳に重度の後遺症が残った影響で、言葉を話せず、歩くこともできない状態になっていたことが分かった。

【動画】男の子が会話や歩くことができなくなる 心臓病の手術で脳に重度の後遺症 兵庫県立こども病院で医療事故

■手術後 会話できず、歩くこともできなくなる

この記事の画像(5枚)

神戸市中央区にある県立こども病院で去年5月、先天性の心臓病を抱える未就学の男の子に「開窓フォンタン手術」という心臓を介さずに人工血管で血流を流す手術が行われた。

しかし手術の際に心臓に入り込んだ空気が男の子の脳内に入り混み、酸素が一時的に供給されない状態となって、手術後、全身にけいれん発作が起きた。

兵庫県立こども病院の会見 25日午後
兵庫県立こども病院の会見 25日午後

すぐに処置を行ったものの、男の子には重度の脳障害が残り、意識はあるものの手術前はできていた会話や、歩くことができず車いすでの生活を余儀なくされているということだ。

■「計画が不十分だった。誰もそこを指摘できなかった」と病院

兵庫県立こども病院 医療安全部 田中敏克部長
兵庫県立こども病院 医療安全部 田中敏克部長

病院によるとこの手術の方法では空気が入り込むリスクがあったと説明。 その上で医療事故が起こった原因について、医療安全部の田中敏克部長は「振り返ってみれば、この手順では空気が入るということで、そこの計画が不十分であった。手術者だけでカンファレンスしていたわけではなくて、他の心臓外科医も臨床工学技士も一緒にカンファレンスしている中で、(誰も)指摘をできなかったというところが今回の原因だと思います」と話した。

兵庫県立こども病院
兵庫県立こども病院

こども病院は手術の手順を確認するルールを見直すなど再発防止に取り組むとしている。

(関西テレビ「newsランナー」2024年7月26日)

関西テレビ
関西テレビ

滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・徳島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。