渋谷サクラステージが37のテナントと共に開業し、渋谷の再開発のラストピースとして、文化やポップカルチャーを発信する拠点となる。専門家は、渋谷サクラステージが新しい「渋谷らしさ」を象徴し、世界的な注目を集めると期待している。
新文化の拠点「渋谷サクラステージ」開業
100年に1度の再開発で、ラストピースとされる「渋谷サクラステージ」がお目見えした。

25日、37のテナントが一斉に開業した「渋谷サクラステージ」。

39階建ての複合施設には、渋谷で醸造されたビールを楽しめるフードホールや、メイクブランドの「KATE」初となる旗艦店、サンリオのグッズショップなどが出店され、日本のコンテンツやポップカルチャーを発信する。
来店客:
茨城県のひたちなか市から来ました。たまごっちのポップアップショップができるので、それに来たくて、朝早く家出てきた。
来店客:
駅の方から歩いていたら地下通路見つけて、そこから上ってきました。

100年に一度の再開発が進む渋谷駅周辺では、歩行者ネットワークの整備にも力を入れている。

21日に開通した新南改札や地下歩道など、国道や線路で分断されていたエリアのアクセスを段階的に向上させてきたことで、渋谷サクラステージ周辺の人の流れは、2019年の着工前と比べ143%に増加した。

東急不動産は、渋谷の回遊性が高まる中、本格始動を迎えた「渋谷サクラステージ」について、再開発の「ラストピース」に位置づけている。

東急不動産ホールディングス・西川弘典社長:
この渋谷サクラステージは、大規模再開発のラストピースとなる。この渋谷の街に、音楽やスタートアップなどの新しい文化や、ビジネスが次々と生まれる。渋谷サクラステージは、そのような街づくりをリードする施設を目指していく。
都市開発は「人々をつなぐ」時代に
「Live News α」では、一橋ビジネススクール教授の鈴木智子さんに話を聞いた。
堤礼実キャスター:
渋谷の街が、大きく変わっていますよね。

一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
渋谷はファッションやビジネスなど、東京のあらゆるトレンドの中心であり、海外からの注目も高いです。
1日50万人が行き交うスクランブル交差点で、多くのインバウンド客を見かけるようになりました。渋谷は必ず訪れたい “マストシー” の場所となっています。
その渋谷の街が変わる100年に一度の再開発で、サクラステージは新しい「渋谷らしさ」の象徴となることが期待されています。
堤キャスター:
新しい「渋谷らしさ」とは、どういったものなのでしょうか。
一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
再開発を進める東急グループは、世界の人々を常に惹きつける街を目指して「エンタテイメントシティSHIBUYA」を掲げています。
このエンタテイメント、つまり文化こそ、その街らしさを形作るとても重要な要素で、渋谷から発信されるトレンドやカルチャーの拠点となるようサクラステージは整備されています。
堤キャスター:
渋谷から発信されるカルチャーが、日本はもちろん、世界にも影響を与えるかもしれませんね。
一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
これからの都市は、より人間的なものとし、強いつながりの感覚を育むことに重要性を置く必要があると言われています。
渋谷の大規模な再開発で、サクラステージがただ一つ、人が暮らせる住宅やサービスアパートメントが整備しています。
渋谷で暮らす人、働く人、遊ぶ人、背景が異なる3つの人々が溶け合うようにして、新しいカルチャーが生まれていくかもしれません。
先端カルチャー発信で街の魅力向上

堤キャスター:
街の変化によって新しいものが生まれていくのは、どこかワクワクしますよね。
一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
eコマースでどんなものも手に入るけれど、渋谷で買うから楽しいなど、この街で提供されるリアルな体験に価値を見出せるようになることがとても大切なんです。
そんな、ショッピングが楽しく、カルチャーに溢れ、ビジネスでも人が集まるなど、さまざまなものが渾然一体となっているところが、渋谷独特のエネルギーなのかもしれません。
渋谷カルチャーが多くの人に親しまれ、常に時代の先端を行くようになると、さらに街の魅力は増すように思います。
堤キャスター:
この渋谷の新たな玄関を通って、今の時代をあらわし、未来を先取りするようなトレンドやカルチャーが発信されることを期待したいです。
(「Live News α」7月25日放送分より)