「唐津くんち」曳山巡行が全て中止に

地元の高校生:
えー、そうなんですか…ショック…

タクシー運転手:
沿道のお客さんの数からしたら、今回は仕方ないという気はする

唐津曳山取締会・山内啓慈総取締:
今年 令和2年の唐津くんち、中止を決定いたしました。断腸の思いでございます

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1年で唐津のまちが最も熱くなる、唐津神社の秋の例大祭「唐津くんち」。

8月6日夜、祭りを取り仕切る唐津曳山取締会などは、11月2日から4日に予定されていた曳山の巡行を全て中止し、神社での神事のみを行うと決めた。

唐津神社・戸川忠俊宮司:
悔しいでもないし、残念でもない。寂しいとか、悲しいことだなと。終息した時には、また盛大に唐津くんちを開催して、神様もそれから皆様も元気になっていただきたい

約200年の歴史で初の中止

例年、3日間で50万人前後が市内を訪れ、沿道は見物客であふれかえることから、「不特定多数の参加者に適切な感染防止対策が実施できない」と判断したという。
1819年、文政2年に1番曳山「赤獅子」が誕生して以降、14台の曳山が町をまわる現在の形になってから約200年の歴史の中で、巡行の中止は初となる。

かつてない決定に市民は…

男性たち:
中止になった!? 残念。楽しみにしてたのに

女性:
まあ、にぎやかなことが良いことだろうけど、今の状況では…

地元の高校生:
高校3年生で“最後の笛”で頑張りたかったんですけど、中止と聞いて残念です

男性:
唐津だけ特別ということもないと思うので、やっぱり仕方がないというか、“コロナには勝てない”ということじゃないでしょうかね

中止決定の中…「腹掛け」を注文する人も

佐賀県内でも再び猛威を振るい始めた新型コロナウイルス。
太平洋戦争中も、女性や子どもが曳山を曳いて紡ぎ続けてきた歴史にも影響を与えた。

「はぎお」店主・萩尾勝さん:
「ことしのくんちがどうなろうが、とにかく作ってください」という方は結構いらっしゃいます

唐津市京町の「はぎお」は1961年、昭和36年創業の老舗衣料品店。
現在は市内で唯一、くんちの曳き子が身に着ける「江戸腹パッチ」という腹掛けを作っている。

「はぎお」店主・萩尾勝さん:
うちはもう、正直1年中作っています。去年のおくんちが終わったら、12月からことしの分を作り始めた

2020年は使う機会がなくなったが、そんな中でも腹掛けを注文する人もいるという。

「はぎお」店主・萩尾勝さん:
体型自体変わらなかったら、30年くらい平気で(使えるから)、それを今度は子どもにやり、孫にやり、ずーっと唐津の人はそういうふうにして、おじいちゃんたちから受け継いでいる

取材中にも問い合わせの電話がー

「はぎお」店主・萩尾勝さん:
どうしてもこの衣装っていうのは、唐津くんちがある限りは必要になってくるから、これだけは絶やさないで、今から先も作っていこうと思っています

(サガテレビ)

サガテレビ
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