5月から茨城県で、キョンを撮影するだけで2000円の報酬がもらえるという、“全国で初”となる新たな制度が始まっています。

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人の悲鳴にも似た鳴き声が特徴で、農作物を食い荒らすなどの被害が問題となっている特定外来生物「キョン」。

千葉県では7万頭を超えるキョンが生息しているとされ、近年、その生息域を北上させている可能性があるといいます。

今回、褒賞金制度を設けた茨城県に話を聞くと…。

茨城県庁
茨城県庁

茨城県環境政策課:
我が県は農業県で対岸の火事ではありません。
そのため、県で独自に目撃情報の褒賞金を設定しました。

茨城県石岡市でキョンの映像が捉えられたのは2022年の12月のこと。

県内ではこれまでに4件、キョンの目撃が確認されています。

茨城県のキョンの目撃情報
茨城県のキョンの目撃情報

キョンへの監視体制を強化する目的でできたこの制度では、さらに、狩猟免許保持者を対象に、県内でキョンを捕獲した場合は1頭当たり3万円を払う制度も整備しました。

キョンによる被害「収入に直結」 農作物の価格に影響も

めざまし8が取材すると、茨城県の農家からは緊張と困惑の声が聞こえてきました。

茨城県下妻市 中島農園代表 中島拓也さん:
(キョンによる)農作物の被害が出ちゃうと…、収入に直結しますね。

茨城県では野生鳥獣による農作物の被害額が年間3億円を超えています。

栗農家の斉藤さんによると、約2週間前、この周辺でキョンに遭遇したといいます。

遭遇した近辺にある栗の木の枝には、えぐられた跡が2つ、獣が噛んだ跡のように見えます。

茨城県石岡市 栗農家 斉藤豊さん:
これはイノシシがかじった歯型です。

栗の生産量が全国1位の茨城県。
イノシシなどの野生鳥獣に加え、キョンによる被害が拡大すると…。

栗農家 斉藤豊さん:
スーパーなんかで1kg500円とか、600円700円で売っていたものが、大体800円~900円くらいの値段になっちゃうんじゃないですか。

茨城県は農作物被害を防ぐ対策を急いでいます。
 (「めざまし8」6月10日放送)