タンパク質の摂りすぎ、お酒の飲みすぎなど、食生活の乱れも良くない。腸内で作られるアンモニアの量が増えたり、肝機能が低下したりして、体内に残りやすくなってしまうという。
においは「足」でチェックできる
そんな悩ましい疲労臭は性別や年齢に関係なく出てしまうとのこと。自分のにおいは気づきにくいが、疲労臭はチェックできるのだろうか。
関根教授に聞くと、アンモニア臭は全身から漂っているが「足」に出やすい。特に足の裏にある「母指球」(親指の付け根にあるふくらみ)や踵は、体重がかかって汗もかくため、においやすいという。そこで、お風呂あがりに足の裏を嗅いでみよう。

「靴を履いて蒸れたにおいは洗えば落ちますが、疲労臭は落ちにくいです。お風呂に入り、足を洗ってもツーンと臭うのであれば、疲労臭を疑うべきかもしれません」
自分から疲労臭が出ているかもしれないと思ったら、どうすればいいのか。後編記事では身近にできる予防策のポイント、臭いが出てしまった時の対処法を中心にお伝えする。
■後編記事はこちら
自分だけが気づいていない?誰にでも可能性がある「疲労臭」…においのエキスパートが教える改善法と対策
■特集記事の一覧はこちら
「臭い」もしや自分も?イヤ~な“におい”の撃退法

関根嘉香
東海大学理学部化学科教授。専門は室内環境学、皮膚ガス学で、アジアの大気環境やシックハウス症候群の予防・改善などを研究。人間から放出される「皮膚ガス」と健康状態の関連を研究している、においのエキスパートでもある。これまでに環境化学技術賞(日本環境化学会)などを受賞。著書に『皮膚ガスのはなし 体臭は心と体のメッセージ』(朝倉書店)などがある。