「やばい!汗ダラダラ…においもしている気がする…」
夏になると、必ずといっていいほど悩まされるこうした汗をかいた後のにおい。友人とのランチが控えている時や、子供の行事に参加する時、大事なクライアントとの会議がある時には、特に不安になることも多いのではないだろうか。
ただ、実は汗自体は「無臭」。
では、なぜ汗をかくとにおいが発生するのだろうか?そして、汗をかいた後でも簡単に出来るにおいケアとは?
“間違った認識も多い”汗のにおいについて知り、自分だけでなく家族にも教えてあげたい。適切な対処法を化粧品メーカーのマンダムに聞いた。
「汗=におうもの」ではない
体のにおいの元となるのは、主に体から分泌される汗と皮脂、そして皮膚上の常在細菌の3つだ。
「“汗臭い”という言葉を誤解しているかもしれないのですが、実は汗や皮脂はにおいがしない無臭のものなのです。なので、汗をかいた直後はにおいはほとんどしないと言われています」
この記事の画像(5枚)汗や皮脂自体はにおわないものの、時間が経ち、汗や皮脂を細菌が代謝することによってにおいが出る。細菌が汗や皮脂をごはんのように食べ、その後に出た“おなら”がにおいの原因になっているようなイメージだ。
私たちは、普段、複数の種類の常在細菌と共存している。常在細菌は肌の状態を良くするなど良い効果もある一方、増えすぎてしまうと、代謝した時に、におい物質がどんどん増えてしまう状態になる。
この汗のにおいが発生するメカニズムを理解すると、「汗と皮脂をおさえること」だけでなく「細菌が増殖しすぎないようにすること」が大事なケアポイントとなっていることが分かるだろう。
汗をかく前のケアがその後を決める
汗のにおい対策1つ目は、「“汗をかく前”に制汗剤を塗る」こと。よく汗をかいてから使用する人が多いが、おすすめの使用タイミングは汗をかく前。体を洗った後などの一番きれいな状態で、細菌が増殖する前に制汗剤を塗ると効果的だという。
また、制汗剤を選ぶときは、配合成分もチェックして欲しい。
見極めのポイントは、裏面に「医薬部外品」の記載があるかどうか。記載がないものは「化粧品」などにあたり、クール感を感じたり香りはいいが、汗をおさえる機能や殺菌機能は含まれていない。
「医薬部外品」のうち、「制汗成分」「殺菌成分」どちらも入っているものを選んで欲しい。
特に汗のケアでおすすめなのは、スティックタイプやロールオンタイプと呼ばれる、しっかり塗りたい場所に局所的に塗れる密着度の高いアイテムだ。
そして、塗った後はしっかり乾かす。乾かさないと、せっかく塗った制汗成分が服につくなどして流れてしまい、効果が出ない。歯磨きをする前に塗って、歯磨きしながら乾かすというのもおすすめだという。
「事前にケアをしておくことで、その後の汗の量をコントロールできるので、仕込みケアはすごく大切です」
汗が出た後もにおいの発生は防げる!
仕込みケアをしたとしても、夏の真っ盛りなどは、動いていれば汗が出てくるだろう。汗が出てからでも、シャワーを浴びずに出来るにおい対策として有効なのが「ボディペーパーでの拭き取り」だ。
制汗剤と同様、「制汗成分」「殺菌成分」どちらも含まれているものがおすすめだという。
部位としては、胸元、背中だけでなく、特ににおいの強度が強いとされる「脇」を拭くと、においをおさえやすいとされる。
こうしたペーパーでの拭き取りは、汗がサラサラなうちになるべく早めに行うことが望ましいが、もし、時間が経って汗が少しひいたと感じた後でも、そのまま残り続けている汗や細菌がにおいの原因となるため、しっかり拭き取りを行ってほしい。
時間が経った後の拭き取りでも、無駄にはならない。
ただ、ボディペーパーを持っていないこともあるだろう。
そんな時に代用できるのが「“湿った”タオル」だ。
細菌の拭き取りまでは出来ないものの、湿ったタオルを使うと、ほどよい水分が表面に残り、気化の仕組みで水分が蒸発する時に周りの熱が奪われるため表面温度が下がって汗がひきやすい。
“湿った”がポイントだ。
さらに、汗を放置して時間が経ち、洋服にまでにおいがついてしまった場合。「こんな服で人に会えない…」と焦る必要はない!
“洋服用”のデオドラント剤を活用してほしい。ミストタイプでなくスプレータイプの場合は、洋服がぬれてしまうこともないので、かわかす時間も少なくて済む。
これからますます気温が上がり、汗が出やすく、においが気になる人も増えるだろう。
お出かけ前に制汗剤を塗り、汗をかいた後もボディペーパーで体の汗と菌どちらも拭き取ることで、「私、におってるかも…」という不安を感じることなく快適に過ごしたい。また、家族のにおいが気になる場合はアドバイスをしてはどうだろうか。
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