国民食「カレーライス」にも、食材高騰の波が押し寄せている。ジャガイモの仕入れ価格は産地の異常気象で「通常の2倍以上」となっていて、コメも主要産地の新潟県が、2023年に起きた猛暑による品質低下や不作とインバウンドによる需要高のより価格が高騰しているという。

ジャガイモ価格高騰に「こんなことは今までなかった」

東京・日本橋にある老舗カレー店「欧風カレー ガヴィアル」は、うまみを閉じ込めたルーをご飯にかけいただく名店で、平日には1日200食が売れる人気店だ。

常連客は「おいしいです。こちらに食べにくる理由としては、ジャガイモとセットになってるという気持ちがあるので、なくなると寂しい」と話した。

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常連客をとりこにする、カレーの付け合わせのジャガイモ。いま、カレーに欠かせないジャガイモも、価格高騰している。

「欧風カレー ガヴィアル」仕入れ担当者:
今年は尋常じゃなく上がってまして、通常の2倍以上は上がっていますね。
例年として2000円前後が普通の相場なんですけど、先週ぐらいまで4500円ぐらいでした。
天候不良とは聞いていますけど、今年は異常ですね。こんなことは今までなかった。

5月中旬までは平均価格でしたが、そこから一気に価格が1.5倍に跳ね上がった。産地の異常気象が、不作の原因だという。

さらに、カレーに絶対欠かせないコメの価格も高騰していた。「今のところそこまで値上げはないんですけど、ちょっとこの先がどうなるかわからない感じです」と、仕入れ担当者も頭を悩ませる。

28日に栃木県宇都宮市内のスーパーでカメラがとらえたのは、コメが品切れとなっている様子だ。撮影者は「普段お米はすごい並んでいたんですけど、お米の棚が二列分ぐらい在庫が足りていないみたいな感じになっていました」と話す。

コメも不作とインバウンドによる消費量急増で…

コメの主要産地の新潟県が、2023年に起きた猛暑の影響による品質の低下や不作により、コメの価格が高騰しているという。

東京・墨田区にある精米店「亀太商店」の市野澤利明代表に話を聞くと、「1俵(60キロ)1万5000円、1万6000円、1万7000円みたいな感じで、どんどん上がっている。値段を2回上げた」と答えた。

また、インバンウンドによる消費量が急激に増えたことも、コメ高騰の原因の一つだと説明している。

「欧風カレー ガヴィアル」仕入れ担当者:
ジャガイモのファンの方も多くいらっしゃいますので、外すわけにはいかない味ですね。
最近はスパイスも値上がりしまして、カレーの食材は全部上がっています。
本当のこと言えば値上げしたいのはやまやまなんですけど、それができないので、厳しい。

一方、精米店は高騰する米の今後の見通しについて、次のように説明した。

亀太商店・市野澤利明代表:
もう少し辛抱すれば、令和6年産の新米も登場してくるので、我々はそれを非常に今待ち望んでいるという状況でございます。
(「イット!」 5月30日放送より)

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