近年、福井県内の沿岸部では野生のイルカが出没し、海水浴客がかまれたり、漁業への影響が出たりしている。そして今シーズンも、イルカが各地で目撃されるようになった。
漁への影響について不安を口に…
5月中旬、越前町の城ヶ谷(じょうがたに)漁港で、野生のイルカ1頭が目撃された。

視聴者が撮影した映像には、船の下を泳ぎ回るイルカの姿がはっきりと確認できる。

2023年にも漁港で泳ぐイルカを見たという地元の漁師は「3、4日前まではここまで入って来なかったが…ことしはイカがとれないので、イルカの影響もあるのかと色々考えてしまう。始末してしまわないと…イルカのために漁師が苦労している」と、厳しい顔つきで漁への影響について不安を口にした。
野生のイルカは4月、別の漁港にも姿を現していた。福井市の鷹巣(たかす)漁港内で悠々と泳いでいたという。

地元の漁師は「船の下を潜ったりしていた。船はスクリューを回しているので、それにイルカが当たると壊れる。スクリューも30万ほどするから」と心配そうに話す。

さらに、敦賀市でもイルカが出没。立石岬を訪れた釣り客が撮影した映像には、イルカとみられる背びれが映っていた。
3つの地点で目撃 同じ個体か?
イルカが目撃された福井市の鷹巣漁港と敦賀市の立石岬は、直線距離で約50kmある。県内の広い範囲で姿を見せるイルカ。3つの地点で目撃されたのは同じ個体なのだろうか。

坂井市の越前松島水族館に聞くと「野生のイルカについて詳しい情報は入ってきていないが、イルカにとって50kmは1日でも移動できる距離なので同じ個体の可能性もある」と話している。
そうなると、イルカは福井県内の沿岸のどこに出没してもおかしくない状況。海水浴シーズンはまだ先だが、心配は尽きない。
(福井テレビ)