報道陣の前に座る2人の男性は、長崎県大村市に住む同性カップルだ。

市から一方を世帯主に、一方を夫と認める住民票が交付されたことを受けて、28日会見を行った。

松浦慶太さん:
信じられない。こんなことが起こるなんてと、大変驚きました。

藤山裕太郎さん:
本当に大村市に引っ越してきて良かったなと思います。
異例…同性カップル住民票の続柄欄に「夫(未届)」

今回の決定を受けたのは、松浦慶太さんと藤山裕太郎さんのカップルだ。
2人に交付された住民票には、「世帯主」は松浦さんで藤山さんの続柄の欄には「夫(未届)」と記されている。

同性カップルの場合「同居人」や「縁故者」などと記載されることがある中、大村市は一般的に男女間の事実婚状態を示す場合に使用される「夫」という続柄を同性カップルの2人に適用したのだ。

松浦慶太さん:
「夫」って書いてもらった書類って、今まで一つもなかったので、そうやって認めてくれるところもあるんだと。本当にこのような英断をしてくださった、寄り添った配慮をしてくださった大村市に、心から感謝しております。

性的少数者のカップルに対してはこれまで、各自治体が結婚に相当する関係であると認める「パートナーシップ証明制度」を導入してきたが、カップルに法律上の権利はなく、健康保険の扶養家族としても認められていない。

また、パートナーが命の危険に瀕する状況に陥った場合も家族として認められず 面会などに支障が出ている。そうした中で今回、パートナーを「夫」と認めた大村市の対応は極めて異例だ。

藤山裕太郎さん:
この前例がないような先進的なことを大村市がしてくれるというのは、すごく自分たちの後押し、励みにもなったし、うれしくて。

松浦慶太さん:
(藤山さん側の親族が)「すごか!すごか!」というふうにとても驚いて喜んでくれました。
パートナーを「夫」と認めた大村市の園田市長「当然の対応」

大村市は、今回の対応について「事実婚そのものを認めたものではない」としているが、会見した園田市長は、今回の決定は「当然の対応」と説明している。

長崎・大村市 園田裕史市長:
そもそも(大村市が)パートナーシップ宣誓制度を導入している自治体です。大村市としては「理解を進めていこう」というふうに政策を進めているわけですから、その中の一つの事務手続きに関することだと考えています。
(「イット!」5月28日放送より)