日本版ライドシェアは、4月に東京などで始まり、広島では5月24日に7社のタクシー会社に認可がおりた。タクシー会社の管理のもとで一般のドライバーが有料で乗客を運び、配車アプリから車を呼ぶ。外国人もドライバーに応募し、研修が始まった。
流しのタクシーが少ない地域で便利
全国で認可がおり始めた「日本版ライドシェア」の海外との大きな違いは、料金だ。海外ではタクシーより安いのが一般的だが、日本では地域のタクシーと同じ料金設定で、アプリでの配車段階で料金が決まる。
この記事の画像(12枚)広島市や廿日市市の一部などで営業するタクシー会社7社に24日、国土交通省中国運輸局から、ライドシェア事業の認可がおりた。運輸局は流しのタクシーが少ない地域での利用を期待しているという。
認可がおりたタクシー会社は準備が整い次第、運用を始める予定で、広島では、31日には合同で出発式が計画されている。
他にも20の事業者が参入の意向を示しており、その数は増える見込み。認可がおりた事業者の1つ、広島市の「広島第一交通」ではライドシェアは6台の予定。
広島第一交通 本社営業所 福坂康司所長:
スポーツの街・広島なので、試合の時間帯に配車のご用命が重なる。今回の日本版ライドシェアで利便性を増して、つかまりやすい環境に変えたいと思う
広島県内では営業区域が広島市、廿日市市など「広島交通圏」のタクシー会社の管理のもと、一般ドライバーが自家用車で営業できる時間帯は、国が指定した月曜日から木曜日の午後4時台から7時台や金曜日と土曜日の午後4時台から翌日午前3時台など3つの時間帯のみとなっている。
配車アプリで手配 事前に料金が決まる キャッシュレス決済
日本版ライドシェアは原則キャッシュレス決済で、広島第一交通は6月上旬からライドシェアに対応する配車アプリ「DiDi」と提携する。実際にアプリで配車を体験させてもらった。
野川諭生アナウンサー:
アプリを使って呼んでみましょう。行先、広島駅、出ましたね…普段は“一般タクシー”と表示されましたが、“タクシーか自家用車”という画面が出るようになりました。料金は4100円と表示されています
DiDiモビリティジャパン 花田裕二さん:
乗る前に金額が確定するので、お客さんは安心。大原則、タクシーのメーター運賃と同じになるような設計。一つ差があるとすると、タクシーはかかる時間も計算されるので、渋滞だと、どんどんメーターが上がるが、事前確定の場合は時間は関係ない。
また、DiDiには警察への緊急通報など、非常時のセーフティ機能も新たに備えられた。
外国人もドライバー研修に参加
「日本版ライドシェア」のドライバー希望者は、まず、タクシー会社で6時間以上の研修を受け、会社のドライビングテストに合格する必要がある。
広島市のつばめ交通では、ドライバー希望者の研修が始まり、アメリカ出身の英会話講師も参加した。
教官:
アクセルの踏み方が上手
ジョーダン・ランゲンさん:
急すぎではないですか
教官:
いやいや…うちの新人ドライバーよりうまいよ
ドライバー研修に参加したジョーダン・ランゲンさん:
広島はすごく外国人観光客が多く、ぜひ困らないように、目的地まで安全で楽しく運転できたらと思っています
どのくらいの一般ドライバーが応募し、合格するかにもよるが、増加するインバウンド客や混雑するスポーツイベントの前後などで、日本版ライドシェアが力を発揮するかが注目される。
(テレビ新広島)