宮崎県で2050年に消滅可能性があるとされているのは9市町村。その主な原因は、20代・30代女性の大幅な減少である。現在諸塚村では、“高校生1人あたり月額2万円を給付”などの子育て支援に力を入れている。

消滅の可能性がある自治体

有識者などで構成する人口戦略会議が公表した試算によると、2020~2050年にかけて全国約1800の自治体のうち全体の約4割にあたる744の自治体が消滅の可能性があるということだ。これは、30年間で子どもを産む中心世代である20~30代の女性が現在の半分以下となり、その結果急激に人口が減少すると予測されるためだ。

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宮崎県内の消滅可能性自治体

県内で消滅の可能性があると指摘されたのは9市町村。

県内は26市町村のうち9市町村が2050年には消滅する可能性があるということだ。

20~30代女性の人口減少率

減少率が72.6%と、最も高くなると予想される諸塚村は人口が現在の1434人から2050年には676人に、そのうち20代・30代の女性は現在の64人から2050年には23人になると推計されている。 (2024年4月30日時点)

現在諸塚村は、小中学校の給食費や高校生までの医療費を無償化、高校生1人あたり月額2万円を給付するなど子育ての経済的負担を軽減するための施策を行っている。今回の推計の結果を受けて諸塚村は「悲観することなく一つの指標として諸塚村活性化の参考にする」としている。

「消滅可能性自治体」を脱却した自治体

実は10年前の同じ調査では、県内15の市町村が「消滅の可能性」と示されたが、今回は日南市、小林市、綾町、都農町、五ヶ瀬町、西米良村の6市町村が脱却した。

その理由について、宮崎大学地域資源創成学部の根岸教授は「移住者を増やしていく、若い女性の働く場所、子育ての環境を作っていくといった努力をした結果ではないか」ということだ。

視聴者の方からのメッセージ

「人口減少を感じること」について視聴者から寄せられたメッセージ。

西都市60代女性 ミセスぼんくれ:「空き家が増えて、子どもの声をあまり聞かなくなったことです」

宮崎市50代女性 まる:「近所の店舗が閉まるたびに人通りがないから難しいだろうなぁとだんだん寂しくなるときに人口減少を思う」

空き家が増えた、子どもの声が聞こえなくなったという意見がかなり多かった。

消滅可能性自治体については、以下のようなメッセージが寄せられた。

宮崎市40代女性 ひろひろ:「『消滅』と聞くとショッキングですが、都城市のように、人口が増加した自治体もあるので、その取り組みを参考にして、そこに住むみんなが少しでも住みやすい自治体になるようにしていく必要があると思います」

延岡市60代女性 桜じゅん:「出生率が上がらなければ、合併を繰り返すしかないと思います。そこで思い切った政策をとって、人口増を目指すしかないのかなぁと」

都城市60代女性のカモミール:「私の地域は子どもの数が多く、近所でもどんどん若い世帯が家を新築しているので、人口減少を感じません」

人口現象を感じさせなかった都城市。人口増加を後押ししたのが移住策だった。都城市は、2023年度、夫婦と子ども2人の世帯に最大500万円の移住応援給付金を支給した結果、市の窓口を通じて移住した人は過去最高の3710人、前の年の8.5倍に。このうち、40代以下が83%を占めている。

今回の結果について、宮崎大学の根岸教授は「未来に対して悲観的になるんじゃなくて、新しい考え方や価値観、連携の仕方など、みなさんの創意工夫が生かせるような環境づくりが重要」と話していた。

(テレビ宮崎)

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