宮崎市の中心部を流れる大淀川沿いの橘公園で、飲食を提供する実証実験が始まった。宮崎市が「公民連携」で都市公園の利活用を探る取り組みのひとつで、キッチンカーで、老舗焼肉店のホルモン鉄板焼きなどが提供されている。アルコールの提供もあり、大人から子供まで楽しめるようになっている。実証実験は、公園の魅力向上と採算性の確認が目的で、将来的には災害支援機能を備えることも視野に入っているという。
公園に賑わい創出、キッチンカー出店

宮崎市の橘橋北詰にある橘公園に10月26日、キッチンカーが出店し、飲食の提供が開始された。提供するのは、宮崎市の繁華街で37年間営業を続ける飲食店「焼肉しもふり亭」。看板メニューのひとつである鉄板で焼いたホルモンは、醤油ベースに味噌を加えた伝統のタレを使用しており、手軽に味わえるように工夫されている。

「醤油ベースの味噌入り、37年営業している中で伝統を引き継ぎながら守っているタレなので生かしていきたい。手軽に安く食べられる感じでやっていこうかなと思っている」と、提供するSTUBBORNの岡崎竜代表取締役は語る。

散歩中に漂う香ばしい匂いが食欲をそそり、噛むたびに旨みが広がるホルモンは、訪れた人々を魅了している。さらに、アルコールの提供もあり、大人から子供まで幅広い年齢層が楽しめる空間となっている。
「公民連携」で公園の新たな活用を
この実証実験は、宮崎市が都市公園の魅力向上を図るため、民間事業者に公園の利活用方法を募集したことから始まっている。採算がとれるかどうかを確認することも目的だ。

今回手を挙げたのは、移設可能なコンテナハウスの販売などを行う宮崎市のヨシカワ。コンテナハウス付きのキッチンカーを用意し、常設することで利用者の増加を目指すという。
さらに、この取り組みは、炊き出しや宿泊など、災害支援の機能を備えることも狙いとしている。

ヨシカワ 吉川健社長:
どこかで災害が起こった時など、もし何かあったらいろんなところからたくさん出動できるような形を作っていきたい。

ヨシカワに声をかけたのは、不動産事業などを手掛ける宮崎市の青木商事。同社は、大分県別府市の春木川公園における民間活用で企業を誘致し、立体都市公園の整備に携わった実績を持つ。

青木商事 青木貴寛代表取締役:
(別府市での)実績があったので、宮崎県内でもそれをやりたいなというのがあった。公園は市がお金をかけて維持するが、利益も生みながら維持し地域活性化をしていく事業で非常にWIN-WINな事業なので。
公園の新たな可能性と今後の展望

橘公園での飲食提供は、約5カ月間、週4日程度行われる予定。詳細な日程はSNSに掲載している。事業が本格化すれば、売り上げの一部は公園の維持管理に充てられ、公園の持続的な運営に貢献することが期待される。

公園の新たな可能性を探るこの実証実験は、利用者のニーズを把握し、今後の公園のあり方を決定する上で重要な役割を果たすだろう。
(テレビ宮崎)