東京都心の百貨店で、気象庁が予想する最高気温が25度以上の日に行われる「お得なサービス」を開始した。2024年の夏は、ラニーニャ現象が原因で猛暑が予想され、観測史上1位の暑さになる可能性があるという。

120年間余りで最も暑い4月に

暑い日にお得になるサービスが、都内の百貨店で始まった。松坂屋上野店で始まったのは、気象庁が前日の午後5時に発表する東京都心の予想最高気温が「25℃以上」となった場合に、お得になるサービスだ。

この記事の画像(11枚)

16日に発表された、17日の予想最高気温は26度だったため、17日は日本マグロが表示価格より300円引きに。そして、国産黒毛和牛の焼き肉用切り落としは100gで980円となった。また、クリームソーダは、通常1個のバニラアイスが2個に増えた。

利用客は「安ければ、うれしいですよね」と話す。

松坂屋上野店食品担当・山田潮人さんは「暑い中、せっかく来ていただいたお客様に、ちょっとでもお得なサービスや限定品を味わっていただければ」と話す。

このサービスは、5月28日まで行われる。

17日の最高気温は27.2℃で、3日連続で25℃を超えている。さらに、18日は7月上旬並みで平年より5℃近く高い29℃予想、19日は27℃予想と気温が上昇する予想で、2024年で1番の暑さになりそうだ。

また、2024年の夏は「観測史上1位の暑さ」になる可能性があるという。

2023年の6月~8月の平均気温は、平年より1.76℃も高く、観測史上1位の暑さだった。
2024年は、それを上回る暑さになる可能性がある。

2023年、東京都心では7月に最高37.7℃を記録し、最高気温35度を超える猛暑日を22回、最高気温30度を超える真夏日を90日も観測するなど、記録的な暑さとなった。

2024年は、この暑さを上回るかもしれないという。その前兆はすでに4月からあり、統計開始以降、この120年間あまりで最も暑い4月になった。平年より2.76℃も高く、真夏日も多く観測された。

4月に出された3カ月予報(5月~7月)を見てみると、気温は全国的に平年より高い予想だ。

ラニーニャ現象で猛暑傾向

では、なぜそんなに暑くなりそうなのだろうか。

観測史上1位の暑さになってもおかしくない原因が、「ラニーニャ現象」だ。

ラニーニャ現象とは、南米ペルー沖の赤道付近の海面水温が平年より低くなる現象で、この辺りで強い東風が吹くことで、温かい水がアジア側に追いやられ、太平洋高気圧の勢力が強まるため、日本では猛暑になる傾向がある。

前回、夏にラニーニャ現象が起きた2022年8月には、都心で9日間連続猛暑日を記録するなど、記録的な暑さになった。

今後、注意すべき事は何なのだろうか。

本来この時期は暑さに慣れていくべき時期だが、なれる前に夏のような暑さが来てしまうので熱中症が心配だ。

「暑熱順化」と言うが、暑さになれるための訓練が必要で、汗を上手にかけるように持って行く必要がある。軽い運動をしたり、湯船に浸かったり、水分や塩分をしっかり摂るなど、汗をかける状態を作ることが大切だ。
(「イット!」 5月17日放送より)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(11枚)