医療用の通信機器などを乗せた車が患者のもとに出向いて遠隔診療する取り組みを、山形・酒田市の病院が本格導入した。患者と医師、ともにメリットがある診察の様子を現地で取材した。
中山間地域の高齢者向け「医療MaaS」
酒田市の日本海総合病院が新たに導入した取り組みは「医療MaaS(マース)」とも呼ばれ、カメラに加え、医療機器を備えた専用の車が患者のもとに出向き、病院にいる医師がオンラインで診療を行うもの。
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導入初日となった5月16日は、5件の予約が入った。市内にある系列のクリニックから専用の車が看護師と一緒に患者の自宅に向かい、遠隔診療を行った。
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主に、交通手段がない中山間地域の高齢者向けの取り組みで、処方箋は後日、郵送や電子データなどで送られてくる。
医師と患者の移動時間や負担を減らす
足腰の不安やトイレの心配などをせずに、自宅に居ながら診察を受けられる患者の安心感に加え、診察のため半日ほど付き添っていた家族の負担軽減もメリットの一つだ。
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患者の家族は「とても良い。通院すると本人も疲れるし、私たちも連れていくので疲れる。10分・15分で診察が終わるので楽」と医療MaaSは便利だと話す。
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一方、これまでは「訪問診療」という形で診察してきた医師にとっても、一部がオンライン化できるのは大きな利点だという。
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日本海八幡クリニック・土井和博診療所長:
移動時間が少なくて済むので、来院する患者を診ながら診察できるのが1つ。自宅に看護師が行って問題点を整理してくれているので、診療がスムーズにできる。
医療MaaSの本格導入は県内では初めてで、当面は日本海八幡クリニックの患者を対象にした予約制で、毎週月曜・木曜の午後に運用されるという。
(さくらんぼテレビ)