いわゆる元徴用工問題をめぐり、韓国の裁判所から賠償を命じられた日本企業の資産を売却する手続きの実施が迫っている中、自民党の保守系グループ「保守団結の会」は3日、会合を開き“韓国問題”について協議した。

会合の冒頭、代表世話人を務める高鳥修一党筆頭副幹事長は「日本企業の資産が差し押さえをされ完了すれば、新たに現金化に向けた手続きができる状況にある」と懸念を表明。その後、外務省から慰安婦問題や竹島をめぐる問題など直近の日韓問題について説明を受けた。

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「保守団結の会」は、会合を経て「旧朝鮮半島出身者問題について国際法違反の資産現金化の際は韓国制裁を求める決議(案)」をまとめた。

決議案では、8月4日午前0時に韓国の裁判所による日本企業の資産差し押さえが完了すると、韓国大法院(最高裁)によって我が国企業の資産を現金化することが可能となる事から、「日韓基本条約、請求権・経済協力協定が根底から覆され、日韓関係は韓国の一方的な暴挙により断絶の危機を迎えている」と厳しく指摘した。

また、文在寅政権の国際法等を軽視する無責任な対応に“断固抗議する”と強調し、そのうえで「保守団結の会」として、「今後、我が国企業の資産が、韓国大法院によって現金化された場合、我が国は直ちに韓国政府への実効性の高い制裁を科すべき」として、「政府に具体的検討を進め躊躇なく実施すること」を求めた。

決議案をまとめた高鳥氏は、「日本の立場は一貫しているので、もし韓国が踏み込むということであれば当然しかるべき制裁措置をとるべきだ」と強調した。

また会合の中で外務省から、韓国の民間植物園に慰安婦問題を象徴する像の前でひざまずいて謝罪する安倍首相の像が設置されたことについて説明があったが、終了後、記者団の取材に応じた赤池参院議員は「問題視することさえもあり得ない。民間の問題とはいえ韓国国内でも“いかがなものか”とある通り、我々が問題にする以前の問題だ」と断じた。

また「団結の会」は、「靖国神社の英霊に誓う」とする決議案をあわせてまとめた。決議案では、靖国参拝について本来、政治状況で左右されるべきものではないと指摘。そのうえで、“安倍首相自身が哀悼の誠を捧げに参拝されることを切望する”として、首相の靖国神社参拝を要望した。

高鳥氏は、「(日付は)明示していないが首相在任中に是非参拝をしてほしい」と語った。また「団結の会」として終戦の日の8月15日に靖国神社を参拝することが決まった。

日本企業資産が現金化された際に韓国への制裁を求める決議と、首相に靖国神社参拝を求める決議は、4日に面会した西村官房副長官を通じて、安倍首相に伝えられる見通しだ。

(フジテレビ政治部 門脇 功樹)

門脇 功樹
門脇 功樹

フジテレビ 報道局 政治部