リニア中央新幹線のトンネル掘削工事が行われている岐阜・瑞浪市で、2月下旬ごろから井戸やため池などの水位が相次いで低下していることが分かった。

川や井戸に異変

水が極端に減り、底がひび割れてしまったため池。枯れてしまった井戸もある。

ため池のそこにはひび割れができている。約50cmだった水位は15cmほどに。
ため池のそこにはひび割れができている。約50cmだった水位は15cmほどに。
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ある場所にあるため池は元々50cmほどの水位があったとみられるが、現在は15cmほどとなっている。住民は、「被害が思ったより大きいので、水がたまらないと田植えができない」と肩を落とす。

生活用水に井戸水を使っているという家では、ある異変があったという。住人は「(洗濯機から)コポコポっていうのかな。そういう音がしたんですよ。洗濯機の水を止めて、のぞいたら(井戸の水が)なかった」と話す。

「自然を壊してしまったということ」

異変を受け、JR東海は周辺の32カ所を調査。その結果、水源となっているため池や個人宅の井戸など、14カ所で水位が低下していることが確認されたという。

水位低下は日吉トンネルの掘削工事が原因とみられる
水位低下は日吉トンネルの掘削工事が原因とみられる

現場は建設中のリニア中央新幹線の沿線。付近では日吉トンネルの掘削工事が行われていて、水位の低下はこの工事が原因とみられている。住民は「自然を壊してしまったということやね。メリットも何もないわね」を苦言を呈した。

リニア新幹線を巡っては、静岡県の川勝前知事が大井川の流量減少を理由に静岡工区の着工を認めてこなかった。

枯れてしまった井戸
枯れてしまった井戸

今回の事態を受けて、JR東海は「早急に上水道工事を進め、トンネル掘削との関係を調査して、真摯に対応します」とコメントしている。
(「イット!」5月15日放送より)

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