九州弁護士会連合会は会見を開き、国や熊本県に対し、水俣病被害者の早期救済を求める声明を発表した。
また、九弁連は5月1日に伊藤環境大臣と被害者団体との懇談の席で、マイクの電源を切って団体の代表の発言を制止した環境省側の姿勢を批判した。

前代未聞の対応に被害者団体側が抗議

5月1日に熊本・水俣市で開かれた慰霊式の後、伊藤信太郎環境大臣が患者・被害者団体と意見交換を行った。

この記事の画像(7枚)

この中で、団体の代表の発言が長引くと、進行役の環境省の職員がマイクの電源を切って発言をたびたび制止。前代未聞の対応に団体側が抗議し、環境省の職員に詰め寄った。

翌日に熊本市内で会見を開いた九弁連・九州弁護士会連合会は、環境省の姿勢を批判した。

九弁連・稲津高大理事長:
直接の当事者、被害者の話を聞くことは、円滑な進行よりも優先するべきことではないか

九弁連(人権擁護委員)・三角恒弁護士:
真摯に向き合う姿勢が果たして行政(環境省)にあるのか

稲津高大理事長は「被害者の話を聞き、向き合う姿勢が国には求められるのに、こうしたことが起こったのは非常に残念」とした。

司法手続きとは別の救済策求める声明

また、九弁連は5月1日付で、稲津高大理事長名で「水俣病被害者の早期救済を求める」声明を出し、伊藤環境大臣や木村知事などに声明文を送付したことを明らかにした。

声明文では、水俣病特別措置法の救済策をめぐる集団訴訟について、高齢化した多くの被害者が全国で裁判を続けていると指摘。

人権救済の観点からも、司法手続きとは別に被害者救済に取り組むよう国や県に求めている。

(テレビ熊本)

テレビ熊本
テレビ熊本

熊本の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。