能登半島地震の発生から5月1日で4カ月。
石川・輪島市で「輪島塗」の職人を志し、研修に励んでいた岩手県出身の女性がいる。研修所の再開、そして能登の復興を願いながら岩手で漆塗りを再開させた。

能登半島地震で研修所は休校に

岩手・大船渡市出身の今野風花さん(24)は、2023年の春から石川県立輪島漆芸技術研修所で輪島塗を学んでいる。

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しかし、元日の能登半島地震で研修所は被災した。その時、今野さんは大船渡に帰省していた。

今野さんは、能登半島地震が起きたときの心境を「急にテレビで速報が流れて、一瞬頭真っ白で何も考えられなかった。たくさんお世話になっていた人もいたので、みんな無事だろうかと思った」と語った。

その後、同級生たちの無事は確認できたが、建物に亀裂が入るなどした研修所は休校となり、今野さんは岩手にとどまることにした。

「漆文化を伝えていくことは大事なこと」

ある時、盛岡市で漆工房を営む知人から花巻市の蒔絵(まきえ)師を紹介された。

研修所が再開するまで蒔絵師の商品づくりを手伝うことになり、4月12日に約3カ月ぶりに漆塗りを再開した。

4月30日は木の板やコップに漆を塗って拭き取る「拭き漆」という作業にあたっていた。

輪島漆芸技術研修所 研修生・今野風花さん:
漆の文化を伝えていくことをすごく大事なことだと、個人的に思っていて。漆の作業ができる環境を作れているのが本当にありがたい。

復興を願い腕を磨く今野さん

小学5年生の時には東日本大震災を経験し、自宅は無事でしたが大船渡の街は大きな被害を受けた。

その故郷と能登を重ねながら、復興を願い輪島塗の継承のため日々腕を磨き続ける。

輪島漆芸技術研修所 研修生・今野風花さん:
こっち(岩手)で復興していく経過を見ているから、何年かかってもゆっくり復興は進んでいくと思っているし、研修所戻ってからも漆の作業を続けていければと思っている。

(岩手めんこいテレビ)

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