今回の放送では、7月9日に石炭火力発電の輸出政策見直しを発表した小泉進次郎環境相を迎えた。石炭発電への風当たりが国際的に強まる中、昨年の国際会議COP25では日本の取り組みに対する批判を正面から受けた小泉大臣。国内的・国際的両面の問題を含むエネルギー政策において、日本はどのような姿勢を取っていくのか。
日本の環境政策の未来像に加え、自民党総裁選を見据えた小泉大臣自身の未来像も含め伺った。

今回の政策を去年のCOPで言えればベストだった...

竹内友佳キャスター:
日本の電源に占める石炭の割合は2018年で30%強。昨年のCOP25では、世界が注目する中でのスピーチに批判が集まった。

小泉進次郎 環境相:
今回の石炭政策見直しの内容を昨年言えるのがベストだったが、調整できなかった。しかし与えられた3分間を使う上でイノベーションの話などに逃げるのではなく、国際社会の関心事である石炭の話に率直に触れた。今後国際的に仲間を募る意味でもプラスと考えた。結果はかなり批判されたが。

石炭発電の輸出「支援しないことが原則」

竹内友佳キャスター:
議論の結果、政策方針が変化した。しかし石炭火力発電の輸出禁止ではなく、あくまで原則として条件を厳しくしただけとの声もある。

小泉進次郎 環境相:
そもそも禁止を勝ち取ろうとは思っていない。事務方の調整も含め一貫しているのは「支援しないことを原則」にすること。新戦略においてこの原則を書いているのは石炭についてだけ。そもそも新戦略とは海外に売るためのインフラを推進するもので、そこに「支援しないこと」を書くのは前代未聞。この原則を勝ち取ることで一貫していた。

反町理キャスター:
国内では旧式火力発電所114基のうち100を停止、プラント輸出においては支援しないことを原則に。これを昨年のCOP25で言っていれば、いい風が吹いていた?

小泉進次郎 環境相:
去年言いたかったね(苦笑)。でも間違いなく、来年11月のCOP26では、COP25で批判を受けたような感じにはならないと思う

原発については国民的議論が必要

竹内友佳キャスター:
将来へ向けたエネルギー政策。2030年の目標値でも石炭火力が26%を占めています。

小泉進次郎 環境相:
2018年の時点ではフェードアウトに向けて減らすことが決まっており、それを具体化して年限を付けた点は前進。これからのエネルギー政策は、原子力と再生可能エネルギーがメインの課題となる。原子力は20〜22%、再生可能エネルギーは22〜24%という数字を現状では導入目標としている。ただし原子力がこの数字に達しないのは明らか。一方で、再生可能エネルギーは24%が上限というわけではない。

反町理キャスター:
脱炭素と脱原発の関係については。脱炭素を進めれば原発依存度は高まる。しかしこの数字には達しないとのこと。そこで再生可能エネルギーで担保したり、省エネにより全体を圧縮するという話もあるが、政策的な向き合い方として脱炭素と脱原発は同時にできるものなのか。

竹内友佳キャスター(左)、反町理キャスター(中)、小泉進次郎環境相

小泉進次郎 環境相:
原子力も向き合って議論しなければ。脱炭素が前向きに進んで、原子力推進派は石炭火力発電を減らすなら原発を推進したいと思っている。国際社会としても原子力が鍵という認識はある。しかし日本は中露とは違い、国民の理解がなければ政策を進められない。日本は一度福島県で事故を起こしており、一国が二度事故を起こせば終わりだと私は思う。国民的な議論が必要。

政治家1期生の時の原発事故を忘れない

竹内友佳キャスター:
日本の将来像について。69歳となる30年後でも小泉さんは政治家だと思うが、国の借金など山積する問題については。

小泉進次郎 環境相:
30年後も政治家をやっているかは別として、この30年に成し遂げるのは福島復興。汚染土壌を県外に運ぶという約束がある。福島は復興したと日本全体が思えるようにしなければ。政治家人生の中で、1期生のときに発生した原発事故は忘れない。

小泉進次郎環境相

小泉進次郎 環境相:
もちろん財政健全化の話は大事だが、ただ借金を返すのはお金を使わないだけで、国力や国民生活の水準はどんどん落ちる。そこで日本がこれからどう飯を食っていくか。コロナにおいて、国際社会のデジタル化競争で日本が非常に遅れていることが明らかになった。今改革の風穴を開けなければ。日本こそが強みを発揮できる領域を育てて稼ぎ頭を作らなければ、借金は解決できない。

反町理キャスター:
米中対立の中でのバランスは。30年後の日米同盟はどうなっているか、今後中国に配慮が必要となるか。

小泉進次郎 環境相:
30年前の1990年時点で、現在2020年の日米同盟の形についてどう議論していたか。間違いなくトランプ政権を予測してはいない。しかしアメリカや中国の変化に日本が合わせることはない。他国がどうだろうと、教育もデジタル化も日本として改革し、足腰を鍛えなければならない。

自民総裁選出馬、そして総理大臣への展望は

反町理キャスター:
自民党の総裁任期が迫る中、小泉純一郎元首相にインタビューした映像です。純一郎氏は「まだまだ30代」と。総裁選出馬のような話を親子でするの?

小泉進次郎 環境相:
私がまだ31歳だと思ってるんじゃないですかね(笑)。今39歳、もう30代も終わりだからね

反町理キャスター:
小泉さんの地元は横須賀。軍港であり、自衛隊や在日米軍、高等工科学校など、外交・安保と縁がある街。いつでもその分野へのスイッチは入ると思うが、まだそうではない。そうしたキャリアについては。

小泉進次郎環境相

小泉進次郎 環境相:
横須賀は防衛の街。陸海空の自衛隊や米海軍がいる、歴史を遡ればペリーが来航した浦賀もある。日米関係や日本のターニングポイントと切っても切れない土地柄。環境大臣になってからも、海賊対処などのために遠洋航海に出る海上自衛隊の横須賀の港での見送りや帰港時の式典には、できるだけ出席している。
総理大臣・防衛大臣が必ず卒業式に出席する防衛大学校があり、高等工科学校という、陸上自衛隊の高校生世代が通う学校もある。その卒業式も最も重視している式典の一つ。こんなに国防を考えている高校生がいるのだと泣けてくる。自分の血の中には防衛への思いは溢れている。

小泉進次郎 環境相:
政治家になる前はアメリカのシンクタンクで働き国際関係・外交を学んでいた。そこで決めていたのは、まず日本の課題や等身大の姿を理解すること。自分の国を理解できないのに国際関係を語っても信用されない。今までの私の経歴に共通することは内政に注力してきた点。気候変動では外交分野も出てきたが、内政への思いを持ちながら海外で日本のことを語れるのは私の強み。

反町理キャスター:
福島復興の話など、総理大臣になることで推し進めたいという気持ちはあるか。

小泉進次郎 環境相:
総理にならなければできないこともある。しかし「この人を支えたい」と思ってくれる仲間がいなければ総理にはなれない。私にそれがあるかどうか。世論調査で名が挙がることは大変ありがたいが、政治は結果。まずは環境大臣として目の前の課題に取り組む

BSフジLIVE「プライムニュース」7月29日放送