「頂き女子」を名乗り、男性の恋愛感情を悪用して1億円以上の現金をだまし取った罪などに問われた25歳の女の裁判で、名古屋地裁は22日、懲役13年と罰金1200万円の求刑に対し、懲役9年と罰金800万円の判決を言い渡した。

22日午後1時すぎ、名古屋地裁の周りは慌ただしい雰囲気に包まれていた。81の席に対し、マスコミを含め313人が裁判の傍聴に並び、抽選券が配布されるほどの注目になった。

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傍聴に来た女性:
ネットとかでけっこう話題になっていたので、裁判になる前から。捕まる前から注目だったので

傍聴に来た男性:
どういう顔をして出てくるのか、顔を見たい

被告の名は渡邊真衣被告(25)。「頂き女子りりちゃん」という呼び方の方が、今や一般的かもしれない。

「借金を返済しなければいけない」などとうそを言って、年上の男性3人から計1億5500万円余りをだまし取ったほか「頂き女子」の詐欺マニュアルを販売した罪などに問われていた。

だまし取った巨額の金はホストにつぎ込んでいたという渡邊被告。起訴内容を認める被告に対して検察は「独身男性の心情につけ込み、くり返し金銭を拠出させた卑劣な犯行」などと指摘していた。

詐欺事件としては、異例の懲役13年と罰金1200万円を求刑していた。

2023年12月以降、合計12回、のべ4時間45分にわたる東海テレビの接見で取材に応じてきた渡辺被告。

<渡邊被告>
(懲役)13年って長いですよ。私のやってしまったことの責任だから仕方ないけど

迎えた22日の判決、髪を後ろで束ねてマスクをつけずに素顔で法廷に現れた渡邊被告に対し、裁判長が判決を言い渡した。

<大村陽一裁判長>
被告人を懲役9年、罰金800万円に処する

名古屋地裁の大村陽一裁判長は「ホストの売上に貢献するための資金を得たいという動機は身勝手」と述べ、マニュアルの販売については「主体的に同種の犯罪を助長し悪質」と指摘。

しかし「謝罪と賠償の意思を示すなど反省していて、貢いだホストが被害者に1800万円を返還する意向を示している」などの事情を考慮し、懲役9年、罰金800万円の判決を言い渡した。

(東海テレビ)

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