この春、ジャガーやライオン、オグロプレーリードッグなどたくさんの赤ちゃんが生まれた愛媛県立とべ動物園は、まだまだ魅力いっぱいだ。動物たちの魅力を知り尽くしている園長にイチ推しの動物たちを紹介してもらった。
おっとりしてるが、やるときはやる
最初に園長の宮内敬介さんに案内されたのは、カピバラだ。心地よさそうな表情をしている。
この記事の画像(16枚)とべ動物園にはメス・オス合わせて6匹、お母さんのワカメと、セトカ・ケイ・ジュン・アイ・ミマの5兄妹が暮らしている。
おっとり穏やかなイメージがあるカピバラだが、ちょっと違う一面もあるようだ。
宮内敬介園長:
カピバラって平和そうに見えますけど、闘争とか始めると結構やるんです。(Q.怒ったりするんですか?)しますね。自分のテリトリーに入ってきたりとか繁殖期になると結構オス同士が闘争をやったりします
意外な一面は他にもある。
指の間に水かきがあるのだ。カピバラといえば冬に温泉に入っているイメージもあるが、この水かきを使って上手に泳いでいる。
個体ごとの見た目もかなり似ているカピバラだが、どのように見分けているのだろうか。
宮内敬介園長:
顔のあたりに特徴があるんです。ちょっと小高く丘のような黒い盛り上がりがある。これをモリージョといいます。オスはそこがあります
モリージョはスペイン語で「小さな丘」という意味だ。オスはこの部分から出る自分のにおいをつけて、なわばりを主張をしたり、メスに自分の存在をアピールしたりしているそうだ。
立派なコブの仲良しカップル
続いてやってきたのは、フタコブラクダのブライアン・御結びとウランだ。
フタコブラクダは、好奇心旺盛な子もいればちょっと臆病な性格の子もいる。
とはいえ、比較的のんびり屋だという。
撮影中には足を浮かせて草を食べる様子も見られた。エサを食べたくて仕方がないようだ。
砂漠で暮らすためには、栄養の補給が欠かせない。
ラクダといえば立派なコブが特徴的だが、その中には脂肪があり、それをエネルギーに変えることによって砂漠で生活ができるという。
「貯蔵庫」のような働きをするコブ、しばらく食べなくても栄養を蓄えておけるのだ。
仲良くスキンシップをとっている2頭は、実はカップルだ。
宮内敬介園長:
(2頭の相性は?)今後楽しみにしたいという感じ。今のところ一緒にすることもあるんですけど、ケンカもせずに仲良くしてます
ときどき見せてくれる鼻と鼻をチョンっとするかわいらしい姿、とっても癒される。
園長の注目ポイントは、まつげが長くて、くりんくりんのおめめのかわいい顔だという。
1円玉サイズからマッスルボディに!
続いてはカンガルー。
おなかからひょっこり顔を出しているのはアカカンガルーの赤ちゃんだ。
宮内敬介園長:
生後6カ月ちょっとくらいの子どもですね、袋から顔が出てたのは
カンガルーは妊娠期間が30日と短いため、5カ月くらいお母さんの袋に入り、おっぱいを飲んで成長する。生まれたときは2cmで1グラム程度と、1円玉くらいの大きさで毛も生えていないという。
とべ動物園では袋から顔を出した日を誕生日としている。最近は、袋から出てジャンプをする姿も見られるそうだ。訪れたときには、小さな赤ちゃんカンガルーを探してみてほしい。
また、カンガルーと言えば、ボクシングのような取っ組み合いをしているところを見たことはないだろうか。立ち上がると160~170cmあり、とても迫力がある。
ムキムキマッスルボディのカンガルーが近くにいたときには、もりもり筋肉も是非見てみてほしい。
名前の由来はオリンピック!?
とべ動物園には色んな名前の動物たちがいるが、そんな中でも2024年にぴったりの名前を持つ子がいるのだ。
ゴリンちゃんという2008年の北京オリンピックのときに生まれた女の子。ゴリンちゃんは、真っ赤な顔が特徴的だ。
2024年はパリオリンピックの年、注目度も金メダル級かもしれない。最近、少しぽっちゃりしてきたということでダイエットをしているそうだ。
最後に、とべ動物園をどんな風に楽しんでもらいたいか園長に聞いた。
宮内敬介園長:
気温も温かくなってきますので、ゆっくり園内を歩いていただいて、動物たちのユニークな動作とか活発になった動きとか、そういうのを御覧いただきたいと思います
(テレビ愛媛)