元通訳・水原一平氏がドジャースを解雇された違法賭博疑惑について、捜査は数カ月を要する見通しだということが分かった。大谷選手の口座から、胴元へ6億8000万円が送金されたことが報じられている。胴元のマシュー・ボウヤー氏に対しても、連邦当局が捜査を進めているとみられる。

6億8000万円の送金を確認

大谷翔平選手の元通訳・水原一平氏が、違法賭博疑惑でドジャースを解雇されてから2週間、現地カリフォルニア州の弁護士はFNNに、捜査には数カ月かかるとの見通しを語った。

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これまでに大谷選手の口座から違法賭博の胴元マシュー・ボウヤー氏の関係先に、少なくとも450万ドル、日本円で6億8000万円の送金が確認されたと報じられ、水原一平氏が関与したとされている。

現地カリフォルニア州の木村ジョシュア弁護士は、「大谷選手は、おそらく世界で最も人気のある野球選手。だから当局は間違いたくない」という理由で、水原氏による窃盗または横領の疑惑の捜査には、数カ月かかるとの見通しを示した。

一方、違法賭博の胴元マシュー・ボウヤー氏については、連邦当局が捜査を進めているとみられている。

記者が「コメントをもらえますか?」と聞くと、マシュー・ボウヤー氏は首を振った。

木村弁護士は「違法な賭博への電子送金の疑惑についての捜査は、詐欺の捜査より時間がかかるのでは」と話している。

自宅は豪邸…広さ約500㎡で価格6億円か

このボウヤー氏がどんな人物なのかーー。
ここからは取材センター室長・立石修が解説する。

アメリカ・カリフォルニア州の自宅で1日、FNNの特派員が、ボウヤー氏を直撃した際の映像を見ると、玄関にはベンツとレンジローバーという高級SUVが2台並んでいる。

外出から戻り、レンジローバーから降りてきたボウヤー氏に、記者が水原氏とどのようにして知り合ったかなど問いかけるが、「ノーコメント」ということで自宅内に姿を消していった。

かなりの豪邸に見える住まいは高級住宅街に位置し、推定で約500㎡で価格は6億円と見られる。

ボウヤー氏は、アメリカでも最大級のギャンブラーで、これだけの豪邸に住んでいるというということは違法も含めて、かなりの利益を出していたのだろうか。

このボウヤー氏は、「大金を賭ける人」という意味の英語で言うと「High Roller」や「Whale(鯨)」と呼ばれる人物で、金銭トラブルも多かったという。

アメリカの情報サイトが報じたボウヤー氏を知る情報筋の話によると、一晩でカジノで100万ドル、日本円で約1億5000万円負けたという。ブラックジャックで毎回、5万ドルから10万ドル、日本円で750万~1500万円ほど賭ける傾向があった。

ベガスだけでなくドミニカやバハマなどでも… 

ボウヤー氏はラスベガスだけでなく、ドミニカやバハマなどでも幅広く多額の賭けを行っていて、「アメリカでも最大級のギャンブラーの一人」かもと報じられている。

多額の負債も抱えており、自転車操業のような形で豪華な生活を維持している状態だったボウヤー氏は他にも仕事をしていた。

地元紙によると、商品トレーダーや害虫駆除事業など職を転々としていたという。

さらに2021年にはブラジリアン柔術教室も開いていて、2023年8月には、ボウヤー氏自身もアメリカ・ラスベガスで行われた柔術大会に出場していた。

ただ、稼いだお金を博打につぎこんだことで、2011年には破産申請をしている。 

大谷選手にバレることを弱みに?

カジノで総額42万5000ドル、日本円で6500万円の損失を出し、負債は200万ドル、日本円で3億円に達していた。つまりボウヤー氏本人が、ギャンブル依存症とも言える。

金づるを探していたところ、そこにひっかかったのが水原氏と推測される。しかし、違法ギャンブルのため、水原氏は払う必要はなかったのでは?という疑問が生じる。

確かに水原氏は支払う必要はなかったかもしれないが、違法賭博していたことがバレてしまうことで大谷選手にも影響が出る。水原氏は、それらを弱みにボウヤー氏に脅されていた可能性がある。

地元カリフォルニア州の弁護士によると「大谷選手は、世界で最も人気のある野球選手。捜査当局は間違いを犯したくない」とした上で、そのため「(捜査は)半年とは言わないまでも数カ月はかかるだろう」と話している。
(「イット!」 4月4日放送より)

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