大谷翔平選手の元通訳・水原一平氏による違法賭博問題の余波が続く中、最も注目が集まっているのは、「水原氏はどのように口座にアクセスしたのか?」という点です。
この記事の画像(12枚)「めざまし8」は、アメリカへの送金業務を行う税理士の渡邉聡美さんに、口座への送金方法を聞きました。
まず、銀行口座にログインする場合、ユーザーネームとパスワードを入力。携帯電話に送られてきたセキュリティーコードを入力すると、2段階認証をした上でログインが完了。
送金先の口座を登録する際にも、セキュリティーコードが必要だといいます。新規登録を行うと再度メールが送られ、今回見せてもらった銀行の場合、送金先の口座を登録するだけで、少なくとも計3回、口座の名義人に通知されることがわかりました。
株式会社フェニックスデール 渡邉聡美さん:
銀行からの(確認の)電話だったり、こっちが電話に反応しない場合だと、一定期間ロックしちゃうとか、使えなくなるというのはあります。
名前、住所、電話番号、生年月日、あとはアメリカで言うと、日本でいうマイナンバーのような、ソーシャルセキュリティナンバーとか、ITIN番号とかいくつかありますけれども。それ以外に、家族の例えば母親の旧姓はなんだとか、本当に本人じゃないと知りえないようなこと、口座開設の時に伝えているケースがあるので。
渡邉さんの印象では、日本の銀行よりもチェックが厳しいというアメリカの銀行。
しかしその一方で、セキュリティーコードの送り先を複数設定できる場合もあるため、その送り先を、口座名義人以外の端末に設定することも、不可能ではないというのです。
また、メジャーリーガーを担当していた現役の公認会計士に話を聞くと、通訳が選手の口座から引き落とされるクレジットカードなどを管理するケースがあるといいます。
メジャーリーガー担当の公認会計士:
選手の生活に必要な物を購入するために、選手の口座からお金が引き落とされるクレジットカードなどを通訳に渡しているというケースは十分にあり得えます。
でも、今まで担当した選手の中で、通訳、代理人に口座番号など、お金を出し入れできる権限・機会を与えたケースは聞いたことがありません。
「信頼関係があったらこういうことになりかねない」
なぜ、6億円を超える大金の送金が、本人や周囲が知らないところでできてしまったのか。米・コロラド州出身のパトリック・ハーラン氏は、このような高額な送金自体は、「珍しい話ではない」といいます。
パトリック・ハーラン氏:
皆さんは6億円という額に驚くんですけど、年収が7000万ドル、つまり100億円ぐらいの方にとっては、6億円の振り込みはそんなに珍しい話ではないと思うんです。不動産を購入するとか、投資をする時もそうですし、税金払うだけで何千万ドルが動いたりしますから。銀行が50万ドルの振り込みに、そんな驚かないでしょうし。
水原さんが普段からどれくらい大谷さんの金融関係に携わっていたのか分からないですけど、パスワードや母親の旧姓など個人情報を握っていれば、誰だってできることですよ。彼が正当な理由で教えてもらっていたとしたら。
金子恵美氏:
全幅の信頼を置ける人がいたら、すごくこれは合理的なシステムであって。システムが悪いわけではなく、倫理観が悪い人がいたことが悪いと思うんです。
村尾 卓哉弁護士:
大谷さんにはうその情報、もしくは情報を渡さずに、対外的には「これは大谷さんの正当な権限で送っているものだ」とみせかけられたんじゃないかなというのは思いました。
パトリック・ハーラン氏:
僕はまったく不思議に思ってないですよ。ハリウッドセレブとか、アメリカの超お金持ちの皆さんもパーソナルアシスタントは必ず近くに1人置いて、細かい作業や光熱費関係とか、ちょっとした買い物とか全部任せたりすることはあるんです。外国で暮らしている身としては、外国語での手続きは面倒臭いですよ。僕は小さな英会話学校に最初、日本で勤めさせていただいてたんですけど、そのとき受付に口座を開設してもらって、通帳やはんこを何度も預けているんです。そこまで信頼関係があったら、こういう事になりかねないと思います。
でも、本人は友達として付き合っている水原さんに、すごく裏切られた感はあるでしょうね。
MC谷原章介:
これから大谷選手が活動していく上で同じような役割をする方は必要ですけども、こういったことがあると次の方にどこまで信頼を置けるのか、心を開けるのか、そもそも現れるのか。
パトリック・ハーラン氏:
それがフィールド上のパフォーマンスに現れないように祈っています。
(「めざまし8」3月27日放送より)