地震列島の日本。大きな災害が発生するたびに「仮設住宅」の建設の遅れが課題の一つに挙がる。その救世主として期待されるのが、どこへでも移動できる「トレーラーハウス」。
このトレーラーハウスを活用したホテルが秋田市にオープンした。
急がれる仮設住宅の建設
元日に発生した能登半島地震では、2万7000を超える住宅が全壊・半壊の被害を受け、石川県と新潟県の434の避難所で、9082人が避難生活を送っている。(3月21日時点)
避難生活が長期化し、被災者にストレスや疲労がたまると「災害関連死」の危険性が高まる。これを防ぐために急がれるのが、仮設住宅の建設だ。
この記事の画像(6枚)石川県内では695カ所に仮設住宅が整備されるが、3月21日時点で完成しているのは20カ所にとどまり、すべてが完成するのは7月上旬と見込まれている。
キッチンに洗濯機 ユニットバスも
こうした中、いざという時に備えようと秋田市にオープンしたのが、災害時に仮設住宅として活用できるホテルだ。このホテルは下に車輪が付いていて、どこにでも移動できる。
21日に公開されたのは、トレーラーハウスホテル「Trail inn 秋田港」。
秋田市の建設会社と、東京のトレーラーハウス事業を手掛ける会社が協力して立ち上げたもので、シングルルーム11室、ダブルルーム4室で開業する。
部屋の内部には、キッチンや洗濯機、ユニットバスが備えられ、中長期の滞在に対応できる。ヒーローライフカンパニー・日崎哲仁代表取締役は「住環境の快適性を意識しながら商品開発を進めてきた」と話す。
料金は1泊4980円からの予定
このホテルは災害時の活躍が期待されていて、ホテルを運営する2社は秋田県と協定を結び、災害時に活用する考え。
クリエイトホームズ・鈴木真人社長は「秋田県内で災害があった場合は、そこに移動して使ってもらう。県外で秋田の人たちがボランティアなどに行った場合は、そこまで運んで行き、そこで泊まれるように動かしていきたい」と、ホテルの活用方法について語った。
ホテルの本格的な営業は4月1日に始まり、宿泊料金は1泊4980円からの予定。
秋田県内では現在、洋上風力発電の建設や観光需要の回復などで、ホテルの客室不足が叫ばれている。この方式ならば低コストで部屋の数を増やせるため、今後は能代市や由利本荘市でも稼働を目指すことにしている。
(秋田テレビ)