森永乳業が日本で初めて5種類の植物素材をブレンドした植物性ミルク「Plants & Me」を発売する。温室効果ガス排出量は牛乳の「3分の1」で健康や環境への意識が高い消費者向けに、風味豊かで栄養価の高い選択肢を提供する。市場拡大と消費者支持を背景に販路拡大を狙う。

5種の植物素材ミルク飲料を4月に発売

日本で初めて、5種類の植物素材をブレンドした植物性ミルクが登場する。

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森永乳業は、大豆・アーモンド・ひよこ豆・オーツ麦・ココナッツの5種類の植物素材をブレンドすることで、複数の栄養素を含ませた植物性ミルク「Plants & Me」を2024年4月に発売すると発表した。

砂川萌々菜記者:
単一のものよりもクセが少なく、すっきりと飲めます。

環境への配慮や、健康志向の高まりで、植物性ミルクを年に1本以上買う人は、年間3000万人に上るということで、市場は拡大している。

森永乳業マーケティング統括部・馮韻竹さん:
健康美容の意識が高く自分の体にいいもの、栄養素を積極的に取りたい方を意識して作った。

森永乳業では、ミルク飲料で培った研究の知見を強みに、販路を拡大したいとしている。

温室効果ガス排出量は牛乳の3分の1

「Live News α」では、一橋ビジネススクール教授の鈴木智子さんに話を聞いた。

堤礼実キャスター:
体に優しい植物性ミルク、どうご覧になりますか。

一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
日本で植物性ミルクというと、豆乳やアーモンドミルクが人気のようですが、最近では、ナッツ・種子・穀物・豆類などを組み合わせたブレンド飲料が注目されています。

今回の「Plants & Me」も5つの植物素材がブレンドしてあり、1本で1日分のビタミンEを摂取できて、さらに、食物繊維やカルシウムなど、それぞれの原材料が持つ栄養成分がとれる、体への優しさを追求した商品となっているようです。

堤キャスター:
植物性ミルク、既におなじみという方も増えましたよね。

一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
例えば、米国におけるミルク全体の売り上げの中で、植物性ミルクは2026年末までに30%を占めるようになると予測されています。この成長を支えているのが体だけではなく、地球にも優しい飲み物であることです。

具体的には、コップ1杯の植物性ミルクを製造する際に排出される温室効果ガスは、従来の牛乳の3分の1程度とされています。サステナビリティを意識する消費者にとって植物性ミルクはクールな選択となります。

プラントベースフードの新展開に期待

堤キャスター:
これから消費者の支持を更に広げるためのポイントについては、いかがでしょうか。  

一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
植物由来の原材料を使って、動物性の食品に代わる選択肢として生まれたのが、プラントベースフードです。カロリーや脂質の取り過ぎを防ぐことができるなど、ヘルシーな利点が歓迎され、植物性ミルクも、ここに含まれます。

ただし、サステナビリティ、エシカル、ヘルシーという消費者が求めるトレンドを押さえておきながら、おいしさという大切なピースに欠けるとされていました。このおいしさという課題をクリアできるイノベーションとされているのが、さまざまな原材料をブレンドすることで風味を高める試みです。  

今回の新商品も、ヘルシーさはもちろんおいしさという魅力をおさえた商品になっているようです。地球に優しく、体が喜び、食べて満足。そんなプラントベースフードの新しい展開を期待したいと思います。

堤キャスター:
美味しいことと、体に良いものであることは、商品選びの際に重要ですよね。いま、色々な種類のミルクが発売されていますが、こうした選択肢が増えることで、それぞれの体や口にあったものを選べるようになるのは嬉しいですね。
(「Live News α」3月21日放送分より)

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