調査によると、この春、お花見を予定している人は3人に1人で、コロナ禍の2021年より12.8ポイント増加した。
しかし、物価高や円安がお花見に影響を受けると答えた人は半数以上にのぼり、お花見の予算はほぼ横ばいをキープ。
多くの人が近所で気軽に楽しみたいようだ。
物価高でも「春を感じたい」3割以上
この春、3人に1人がお花見を考えているという。
この記事の画像(11枚)調査会社のインテージが行った2024年の「お花見」に関する意識・行動調査によると、「予定している」、「するかもしれない」と回答した人は、あわせて34.5%で、コロナ禍の2021年と比べると、12.8ポイント増加した。
外に出て春を感じるイベントを楽しみたい、と考える人が増えそう。
一方で、「物価高や円安がお花見に影響する」と答えた人は、57.8%で半数以上にのぼった。
また、「花見をする」と答えた人の予算は平均6872円で、2023年と比べて63円減った。
物価が上昇している中で、予算がほぼ横ばいであることは、お花見予算の引き締めが考えられる。
そして、場所については「昼間に近場の桜が咲いている場所」と答えた人は7割を超え最も多く、「桜の名所への旅行やドライブ」は2023年より少し減った。
物価高の影響からか、遠出よりも、近所で気軽に楽しむお花見が人気なようだ。
お花見は「安・近・短」身近なレジャー
「Live News α」では、消費経済アナリストの渡辺広明さんに話を聞いた。
堤礼実キャスター:
── 春のお楽しみ。もうすぐお花見のシーズンとなりますね?
消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
春の桜・梅・桃、秋の燃えるような紅葉など、四季折々の美しさがある日本はいい国だと思う方も多いのでは。
3月16日、地元自治体が独自の観測で桜の開花を宣言した愛媛県・宇和島に顧問先があるので聞いてみると、やはり、いくつか花びらがほころび始めたという。
ちょっと無粋ですが、消費経済アナリストとしては、お花見は消費を喚起する春の重要イベントなので、桜の開花は需要の盛り上がりを告げるもの、そういうふうにも見えてしまう。
堤キャスター:
── 確かに、お花見は春のレジャーとして親しまれていますよね?
消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
先ほどの「お花見」に関する意識・行動調査で、お花見を予定している場所で「近場」としている方が多かったのは、“安近短”のレジャーとして楽しめるため。
お花見スポットの近くにあるコンビニ店舗は、飲み物やフード類の売り上げアップが見込めて、紙皿、紙コップ、レジャーシートなど、お花見用の品ぞろえも強化している。
さらに、この時期には、定番の桜餅以外にも、さくらのシフォンケーキや、桜のカフェラテなど、季節を取り込んだ限定商品が多く販売される。
近年では、内需の盛り上がりに加えて、外需の取り込み、インバウンド客にもお花見は人気となっている。
外国人観光客へのアピールに桜が最適
堤キャスター:
── 海外の方にも、日本の季節の美しさを感じてもらえるいい機会ですよね?
消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
英語でも"Hanami"と表記されるほど、季節の花を目当てに日本を訪れる観光客も多い。インバウンド客を対象にしたJTBなどが行った日本で体験したいことの調査で、第1位は「自然や風景の見物」、これに続く2位には「桜の鑑賞」となっている。
外国人観光客にとって、桜の名所とされる場所以外でも、日本列島のいたるところで、きれいな桜を見ることができるのは、驚きだという。
外国人が喜ぶような名所や、旧跡がないと嘆く地方の観光関係者は、地元の桜をアピールして、インバウンド客を集めることも検討してもいいのでは。年に一度、桜をめでるイベントは、内需と外需が連動して、ますます消費を喚起してくことになりそう。
堤キャスター:
4つの季節があるのは、日本の魅力の1つですよね。お花見だけではなく、食べ物や行事など、それぞれの楽しみ方で、季節の移ろいを感じられるといいですね。
(「Live News α」3月20日放送分より)