日本がイギリス・イタリアと共同開発する次期支援戦闘機の第三国への輸出をめぐり、自民・公明が、歯止めをかけた上で、第三国への輸出を容認することで合意した。

政府・自民党は、高度化する防衛装備品について国際的な共同開発を通じて同志国の連携を深めること、調達単価を低減することなどが、現下の安全保障環境において必要だという立場だ。
一方の公明党は、防衛装備品の輸出が日本の安全保障にとって有益であることの説明が不足していることなどから、慎重な議論を求めて、議論が続いてきた。

こうした中、岸田首相が国会で、第三国への輸出は、次期戦闘機の輸出に限定すること、個別の輸出を決める際と、実際に輸出する際に2段階で閣議決定をして歯止めをかけることを国会で表明したことで、自公協議は打開に向かった。
加えて、輸出は、防衛装備品の技術移転協定を結んだ国に限ること、戦闘が行われている国には輸出しないとする限定策を加えて、自公は輸出を容認する合意に至った。

世論調査で、合意の評価について質問したところ「戦闘機以外も輸出を認めて良い」が12.8%、「歯止めをかけた輸出の合意は妥当」が38.0%、「より厳しい歯止めをかけるべき」が27.7%、「輸出を一切認めるべきではない」が14.9%となった。

共同開発する防衛装備品については、これまで完成品の第三国への輸出は運用指針で認められていなかった中、条件については、より厳格に、もしくはより許容するという幅はあるものの8割が、第三国の輸出に踏み切ることを許容した形だ。

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【自公 次期戦闘機の輸出で合意】
戦闘機以外でも輸出を認めて良い 12.8%
歯止めをかけた輸出の合意は妥当 38.0%
より厳しい歯止めをかけるべき 27.7%
輸出を一切認めるべきではない 14.9%

自公合意の評価について、自民支持層に限ってみると
「戦闘機以外でも輸出を認めて良い」22.0%、「歯止めをかけた合意は妥当」45.9%、「もっと厳しい歯止めをかけるべき」21.3%、「輸出を一切認めるべきではない」6.8%となった。

今回の自公合意について半数弱が「妥当」と答えた一方、2割が「戦闘機以外も輸出容認」し、政府・自民党に根強い、防衛装備品の輸出拡大に一定の理解を示す数字と言える。

一方、公明支持層をみると、
「戦闘機以外でも輸出を認めて良い」8.0%、「歯止めをかけた合意は妥当」57.3%、「もっと厳しい歯止めをかけるべき」15.0%、「輸出を一切認めるべきではない」17.4%となった。
自公合意が妥当との意見が6割となったことから、国会の予算委員会で、線時輸出の意義、歯止めなどについて質疑が行われたことで、輸出に対する慎重意見が一転、理解が広がったことがうかがえる。
ただし、自民支持層と違い、「戦闘機以外の輸出」を容認する意見は8%台にとどまった。「輸出を一切認めるべきではない」という意見も2割近く残ることから、公明支持層の軸足は、この先の武器輸出には慎重姿勢とも言える。

政府は、3月下旬にも、今回の自公合意を受けて、防衛装備移転3原則の運用指針を改正する方針だ。

【自公 次期戦闘機の輸出で合意】(自民層/公明層)
戦闘機以外でも輸出を認めて良い 22.0% / 8.0%
歯止めをかけた輸出の合意は妥当 45.9% / 57.3%
より厳しい歯止めをかけるべき 21.3% / 15.0%
輸出を一切認めるべきではない 6.8% / 17.4%

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政治部
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