能登半島地震で大きな被害を受けた人々を勇気づけようと、石川県・七尾市などの小学校や幼稚園をサザエさんが訪れるイベントが行われた。
サザエさんの歌を歌ったり、番組でおなじみのじゃんけんをしたりと、サザエさんワールド全開のプロジェクトに子供も大人も大はしゃぎ!いまだ普段通りの運営ができていない園もある中、サザエさんの訪問で多くの笑顔がはじけた。
サザエさんとハイタッチ!
この取り組みは、フジテレビが行う被災地支援「ずっとおうえんプロジェクト」の1つとなっている。東日本大震災をきっかけとして始まった取り組みで、これまでにもサザエさんは福島や宮城、熊本、北海道、広島など多くの被災地を訪れた。
今回、3月13日・14日の2日間で、サザエさんをメインとするフジテレビ社員らが13拠点にのぼる小学校や幼稚園、こども園、避難所などを訪問した。
まずは、志賀町にある志賀小学校からスタート。

子供たちが学校に登校してくる中、玄関前で出迎えるサザエさん。
テーマ曲が流れる校舎で、サザエさんを見つけた子供たちは大歓声をあげながら近づき、元気にハイタッチしていく。

ハイタッチした後も、中には興味津々で靴箱の横からサザエさんを見続ける子まで。

あっという間に人だかりができ、大人気の様子となっていた。少しでも子供たちの気持ちに応えようとサザエさんも大忙しだ。
多くの子がサザエさんを見て「嬉しかった」と話し、中には「震災後だから勇気をもらった」という声も聞かれた。
1時間ほど滞在した後、最後は、サザエさんが代表の子供たちにシールやタオルなどをプレゼント。

志賀小学校の中越眞澄教頭は「子供たちが笑顔になった。よく知るキャラクターと子供たちが生で触れあい楽しんでいて、素敵な訪問だったと思う」と話す。
その後訪れた幼稚園などでは、少しプログラムメニューを変えて展開。子供たちのサザエさんへの熱い思いが見られるシーンもあった。
席から立ち上がり熱いバトル!
訪問先の1つが、七尾市の「ななおあいじこども園」だ。プログラムには、サザエさんのオープニングソングをみんなで歌う時間や、番組同様にサザエさんとじゃんけんをする時間などが加わった。
「じゃんけん・・・ぽん!」
サザエさんがグー、チョキ、パーの札から1つを選び掲げると、勝った負けたで子供たちは大はしゃぎ。

「勝ったー!!!!」と思わず席から立ち上がって、飛び跳ね、大歓声をあげる子も。園内の子供たちのテンションは最高潮に達した。
こちらでも塗り絵やシールなどをプレゼント。

最後に写真をパシャリ。

子供たちに限らず、園の職員までサザエさんの近くで写真を撮るのがとても嬉しい様子だった。
和やかな時間が流れた園内だったが、外に出てみるとその印象は少し変わったものとなった。
地面崩れ落ち・・・残された震災の爪痕
園庭に続くこども園のそばの道では、アスファルトが大きくひび割れ、崩れ落ちている。

1月1日の能登半島地震で被害を受けたという。

他にも、一部を除き排水が未だうまくいかないため、園のスタッフは仮設トイレで用を足したり、子供たちの排泄物は凝固剤を入れて固めて処理するなど、普段どおりにはいかない生活を強いられていた。
こうした状況だからこそ、サザエさんのグリーティングは園の職員にも心に響いたようで、「元気をもらいました!」という声が多く聞かれた。
また、14日に訪問した避難所では、到着前からサザエさんが来るのをロビーで待つ大人の姿が見られるなど、サザエさんは大人にも大人気の様子だったという。
世代を通じて人気なキャラクターの訪問は、被災者の心に勇気を与えたようだ。少しでも早い復興を心から願っている。