自民党の“裏金事件”をめぐり、14日、参議院で史上初の政治倫理審査会の審査が行われた。

この記事の画像(11枚)

出席した“安倍派5人衆”の1人、世耕前参院幹事長には“過激ダンスショー”にも追及が及んだ。

女性に“口移し”した秘書「自宅謹慎」に

出席した世耕氏は、自民党青年局の懇親会で女性ダンサーに“口移し”でチップを渡した男性が、自分の秘書だったことについて釈明に追われた。

日本維新の会 音喜多政調会長:
世耕議員の秘書が(懇親会に)参加し、金銭を渡していたことが報じられています。こうした際のお金に、まさに還付金・裏金が使われていたんじゃないかと。

世耕前参院幹事長:
うちの秘書も参加をしていて、これはもう厳重注意をして、自宅謹慎を申し付けているところでありますけれども。還付金(裏金)を原資とするものは、地元を対象にして何か使ったということは1円もありません。

キックバック復活については「私も知りたい」

世耕氏は参院安倍派のトップを務め、2022年までの5年間の“裏金”総額が1542万円にのぼる。安倍元首相が一度中止を決めたキックバックを誰がいつ復活させたのか、野党が厳しく追及した。

立憲民主党 蓮舫議員:
誰が方向を決めたんですか?事務方の責任ですか?

世耕前参院幹事長:
私もはっきり言ってわかりません。なんでこれが突然、安倍さんが「やめよう」と言っていた現金による給付になったのか。これは私も残念ながらわからない。

立憲民主党 蓮舫議員:
あなたの知らないところで誰が決められるんですか?

世耕前参院幹事長:
誰がこんなことを決めたのかというのは、本当に私自身、はっきり言って知りたいという思いであります。

キックバック復活の経緯については、2月の衆議院の政倫審と同様、分からずじまいとなった。

続いて、政倫審に出席した“裏金”411万円の西田昌司参院議員。うやむやな答弁を繰り返した世耕氏を批判する異例の展開となった。

西田議員:
先ほどの世耕さんの答弁、聞いてましたけれども私も全く納得できなくて。そのとき知らなくてもどうであったのかを調べて、報告する義務があるのは当然だと思っています。

橋本元五輪相「議員を辞めるべきだと…」胸中を吐露

そして、少し緊張した面持ちで政倫審に出席したのは、“裏金”の総額が参議院で2番目に多い2057万円の橋本聖子元五輪相だ。

橋本元五輪相は「清和研(安倍派)の政治資金パーティーに関しましては、私も還付金(キックバック)の存在自体は知っておりました」と述べ、キックバックの存在を認めた一方、“裏金”との認識はなかったと釈明。

そして、問題発覚当時の胸中を明らかにした。

橋本聖子元五輪相:
一度は国会議員を辞めるべきだということも、心に決めたこともありましたけれども、国会議員としての責任・役割を果たしていくべきだという思いになりまして、今こうして、この場に立たさせていただいているところであります。

野党は森元首相の説明を要求

野党は、安倍派に強い影響力を持つ森元首相についても追及。

共産党 井上議員:
ぜひですね。今のこういう問題の解明のためにも、森元首相がきちっと説明をするということ、橋本さんから言われてはどうでしょうか?

橋本聖子元五輪相:
私自身が政治の道に進めていただいたのも、森喜朗先生でありまして、大変大きな存在であり、指導者であります。今後どのような形でこういう問題が解明されていくのかというような状況の中で、私自身、あらゆるところでお話をすることができればというふうに思います。

このように述べ、具体的な言及を避けた。
(「イット!」3月14日放送より)