スマホのオンラインゲームで、「親に無断で子どもが課金する」トラブルが相次いでいるとして、国民生活センターが注意を呼びかけています。

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国民生活センターによると、小・中・高生のオンラインゲームに関する相談件数は、年々増加傾向にあるといいます。

小学3年生の娘がいる親:
アプリをダウンロードするのに、私の許可がいるんですよ。だから色々制限かけています。

小学1年生の息子がいる親:
(ゲームをするときは)携帯貸してっていわれるので、何かをするのか聞いて、時間を決めて終わったら返してもらう。

子どものスマホ使用に制限をしている親がいる一方で、当時中学校3年生の息子が課金していた額に衝撃を受けたという人も。

40代母親:
仕組みが私もよくわからないんですけど、ゲームがうまく(いくために)、アイテムとかでするみたいで。いや~(総額は)それはもう、ここでは言えないですね。(10万以上)いったのもありますね、かなり怒りました。

詳しい課金額は言えないものの、10万円以上いった時もあったということでした。

成蹊大学客員教授 ITジャーナリスト 高橋暁子氏:
デジタルネイティブ世代だったら、容易にできてしまうと思います。
親が(パスワード)入力したりするのを横目で見たり、すべて覚えて、直接見ていなくても、こうやっていたから、こうに違いないとか、指の動きで推測したケースも非常に多いですし、それで課金したっていうケースなどもあるわけですね。なので保護者が油断していたり、「ここまでできないだろう」みたいなことは、おおよそ破れると思った方がいいです。

高額な課金額 大人のITリテラシー問題も…

増加する、「子どもが無断でオンラインゲームに課金してしまった」という保護者からの相談。

2020年度の相談件数は4000件を超え、購入金額の平均は約33万円と非常に高額です。100万円以上というケースも6.5%に上ります。

MC谷原章介:
うちは基本課金させていないんです、でも「したい」ってきたら、自分のお小遣いの範囲の中ならいいよとか、お年玉の中からいくらかだしてもいいよとは言うんですけど、全部僕の方のアカウントのクレジットカードで管理されているので、僕がいいと言わないと課金できないようにしています。

小室瑛莉子アナウンサー:
小中高生が、お小遣いから考えても、到底扱っていいような金額ではないように感じます。感覚とかも分からず、できるから課金してしまっているのかなと。

MC谷原章介:
スマホの場合、押したらすぐにその場で効果が得られるというか、くじを引くみたいなことができて、敷居が低いというか、ぽっと簡単にやってしまうことが一つの原因と考えられるのでしょうか?

フジテレビ解説委員 風間晋氏:
子どもがどんどん普通にスマホを使って、オンラインゲームなんかが、どんどん広がっていますよね。そういう意味では、こういう問題が表面化してくるのは当たり前かなと。
子どもはやはり、自制心より没入する力の方がよほど強いですから、何か対策は考えなくてはいけないわけで。

MC谷原章介:
お子さんの性格にもよるとは思うんですけど、うちは子どもがたくさんいますので、すごく没入する子もいれば、慎重に「これを押したらお金が発生するのかな」と怖がる子もいるので、子どもの性格によって、対応を変えなくてはいけないですね。

実際に寄せられた相談の中で、10歳未満のケースを見てみると、“子ども”とは侮れない事例が多くあります。

【事例1】
「先月ゲームの課金をしてしまった」と明かした息子。息子の言葉通り、約5万円の課金がされていましたが、アカウントは母親の物で、クレジットカードの使用には「指紋認証」が必要なはずなのに、なぜ?
息子によると、「友達から指紋認証の追加の方法を教えてもらい、自分の指紋を追加した」ということでした。

【事例2】
夫のスマホを機種変更した際に、古い端末を息子に渡していた母親。
夫の携帯電話の請求額が高額だったため、調べてみると、夫のアカウントで2日間で合計約10万円ものゲーム課金の履歴が残っていました。
息子に話しを聞くと、課金ボタンを押したことは認めたものの、「お金がかかるとは分からなかった」といいます。課金に必要なパスワードは、自分で変更したといいます。

MC谷原章介:
パスワードを変えているのに、お金がかかるとは分からなかった…。ただ思うのは、お金に対する認識が、本当の現金と画面上の数字が、イコールじゃない子もいると思います。

古市憲寿氏:
みんな子どものことをなめすぎです。できるに決まっているじゃないですか。
生まれたときからスマートフォンがあって、下手したら、親よりも子どもの方がスマホを使えると思った方が良いと思うんですね。スマホを赤の他人に貸すときに、ログアウトしないとか、パスワードを自動入力にしておくということはしないわけで、赤の他人に貸すくらいの気持ちで、子どもに貸すべきだと思います。
専用の端末を作ったり、アカウントを一から作った方が、リスクは減ると思うんです。ですからとにかくこれは、大人の「ITリテラシー」の低さを気にする問題なのかなと。

風間晋氏:
子どもたちの間の情報の交換、こういうのできるよ、こうやればいいよとか、情報の交換とかすごいと思うし、子どもたちもゲームで知り合った大人からそういうことを仕入れてやったりとか、親が本当に分からないところで、くぐり抜けていく情報って、どんどん回っていると思うんです。

MC谷原章介:
家の中にハッカーがいるようなものですね。

古市憲寿氏:
でもパスワードを盗み見るとか、まさにハッカーの手段ですよね。実はハッカーというのは、デジタル上でハッキングするより、日常生活で盗み見たりすることが多いと言われていて、だから、まさに子どもはハッカーだと思った方がいいのでは?

国民生活センターは、子どもたちの無断課金を防ぐ対策として、以下の方法を呼びかけています。

・保護者のアカウントは必ずログアウトする
・保護者が管理できるように子供の専用アカウントを作成
・パスワードは伝えない・類推できない文字列で設定
・日頃から決済完了メールや明細を確認
・子供と一緒に仕組みを確認し無料で遊べる範囲を理解させる

(「めざまし8」3月14日放送より)