3年前、御殿場市について「コシヒカリしかない」などと発言し、県内外から猛バッシングを浴びた静岡県の川勝平太 知事。しかし、その後も一向に失言癖は改善されることなく、またしても…という事態が起きた。
暴言・失言は年々エスカレート
川勝知事の暴言や失言は枚挙にいとまがない。
古くは2013年。学力調査で小学6年生の国語Aの成績が全国最下位だったことを受け「先生の授業が最低ということ」と捲し立てたほか、2016年には当時の静岡市長を前に「政令指定都市としては失敗事例」と発言。
2019年には一部の県議を「やくざ」「ごろつき」と評し、翌2020年には時の総理大臣について「教養のレベルが図らずも露見した」「学問を本当に大切にしてきた形跡が見られない」と侮蔑的な発言をしたこともあった。
さらに2021年、御殿場市について浜松市と比較した上で「あちらにはコシヒカリしかない」「飯だけ食って、それで農業だと思っている」「あちらは観光しかない」と蔑んだ問題をめぐっては県内外から猛バッシングを浴び、県議会では史上初めて知事に対する辞職勧告決議案が可決されるに至った。
この記事の画像(4枚)これを受け、川勝知事は“常時公人”を掲げ自らを戒めているものの、その発言が物議を醸すことは少なくなく、またしても…である。
サッカー強豪校や浜松市を揶揄?
3月13日午前。女子サッカー・なでしこリーグ1部所属で、磐田市を本拠地とする「静岡SSUボニータ」の監督や選手、チーム関係者が川勝知事のもとを訪れた。シーズン開幕を報告するためだ。
こうした中、川勝知事は面会の場で県内屈指のサッカー強豪校として有名で、数々の日本代表選手を輩出してきた一方、地区トップの進学校としても知られる藤枝東高校について「藤枝東はサッカーをするために入ってきている。学校もボールを蹴ることが一番重要なこと。勉強よりも何よりも」と述べたほか、ボニータのホームタウンが磐田市であることを念頭に「磐田というところは文化が高い。浜松より元々高かった」と口にしたという。
また、あわせて「侍ジャパンとか“侍”というでしょう。礼儀正しい、潔い、スポーツマンシップが身に付いている。それは、男の子はお母さんに育てられる。お母さんは持っている」との自説も論じたそうだ。
釈明するも謝罪・撤回はしない考え
折しも同日午後には定例会見が設定されていて、記者から発言の真意を問われた川勝知事は「特段、他意はない」と強調。
現在、県教育委員会が特色ある高校作りを進めていることに触れ、「藤枝東はそういう意味では傑出していて、見事にサッカーを軸にしている」と褒めたたえ、「サッカー文化を大事にしている高校ということを強調するために、そういう発言になった」「サッカーを大事にしている学校であるということの別表現」と釈明した。
一方、磐田市に関する発言についても、かつて遠江国の国分寺が置かれていたことを例に挙げ、「それぞれの一番の中心地に国分寺を作った」と解説した上で「かつて磐田が遠州の中心地域の1つだったということを申し上げた」「歴史的事実を言っただけ」と主張。
ただ、浜松を引き合いに出した理由については複数回質問されても言及を避け、最後は「ちょうど(西暦)784年までは奈良が中心で、京都が田舎だった。それは京都を軽蔑することになりますか?違うでしょ。歴史的事実。それと同じ」と、憮然とした表情で言い放った。
振り返れば“コシヒカリ”発言も、浜松市を持ち上げようとしたがために飛び出した発言だ。今回も磐田市の“魅力”を紹介しようと思っただけなのであろうが、そうであるとしても浜松を比較対象として持ち出す必要はないだろう。
川勝知事は「場を心得て話しているつもり。無礼を働いたとすれば問題があると思うが、そういうことはなかった」と話し、謝罪や撤回・訂正をする考えがないことを明らかにしている。
(テレビ静岡)