ウリは“消費者目線と低カロリー”。広島のデパートが消費者を巻き込んで、2年がかりで、地元の食材を活かした餃子をプライベートブランド商品として開発した。その名も「餃子としあわせ」。3月21日から販売が始まる。

消費者の意見を聞きながらPB商品開発

2年前の2022年、広島のデパート「福屋」は、お客さんに商品開発の一端を担ってもらうプロジェクトを立ち上げた。

広島のデパート「福屋」プロジェクト会議
広島のデパート「福屋」プロジェクト会議
この記事の画像(17枚)

福屋の社内プロジェクト会議では、消費者を巻き込んだ商品開発の案が出た。

担当者:
参加いただきながら、一つの商品を開発・発掘していく流れ

「開発」と「発掘」を軸に、消費者・生産者と共に地元を盛り上げる、この「共創」プロジェクトで、福屋は初のプライベートブランド商品づくりを目指していた。

福屋 営業本部・上田知宏 副本部長:
お客様の声をしっかり生かしていくということは、私たちが次の10年、20年へ繋げていく、大切な要素だと思っています

しかし「共創プロジェクト」の新商品開発の道のりは、そう簡単なものではなく、ようやく商品が決まったのは2023年。

「カラダにいい餃子」をつくる

広島県内に住む主婦や会社員など「消費者代表」とともに開発に挑むことになったのは「カラダにいい餃子」。使用する食材や商品の方向性について、会議や試食を重ね、会合では、消費者目線の鋭い指摘が次々と出た。

参加した消費者:
ショウガは擦るとほとんどその風味が感じられないから、あれ?入れる意味あるのかなと。体にいいから入れておこうかという感じなので、ちょっと中途半端かな

参加した消費者:
三次産のショウガがあったら珍しいな、食べてみたいなと思うかなと

紆余曲折を経て、商品名やパッケージについて確認する最後の会合が2月に開かれた。

福屋 上田副本部長「販売価格は…、税込1,080円(18個入り)」
参加者「おお…安い!」

2月、最後の会合
2月、最後の会合

上田副本部長「ご承認いただければ拍手お願いします」
「(参加者一同拍手)」

パッケージは参加者らの意見を生かした形になった。

上田副本部長「パッケージは、文庫本みたいで、かわいいものになりました。これがなんと、みなさんのご意見通り開きます」
参加者一同「おお~」

参加者らは、最後まで、妥協せずに意見を絞り出す。

参加した消費者「これはこれでいいが…ちょっと寂しい」
上田副本部長「いま、ご意見いただいたもの、取り入れられる部分があれば取り入れます」

ウリは地元の食材、低カロリー

9カ月をかけて完成した消費者との”共創”の「餃子としあわせ」。キャベツやショウガ、ネギ、皮の米粉、玄米粉などは広島県の食材にこだわり、アレルゲンは「鶏肉」のみ。さらに、市販されている餃子よりも「低カロリー」なのがウリだ。

参加した消費者:
よく噛まないとこの良さはわからない。ショウガが刻んでいるのと、おろしているのと両方入っているから、刻んでいるのを噛むと”バーッ”と口の中に広がる

参加した消費者:
どんな売り上げ、結果が出るのか楽しみ

2年かけて、消費者らと二人三脚の“共創”餃子が出来上がった。福屋の上田副本部長は、感極まって目を潤ませた。

福屋 営業本部・上田知宏 副本部長:
最初はすごく不安でした。やっとここまで完成することが…本当に感動していますし、感謝しかありません

この消費者とつくりだした「餃子としあわせ」は、パッケージなどの最終調整を経て、3月21日から販売の予定。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
テレビ新広島

広島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。