腕時計シェアリングサービス「トケマッチ」の運営会社「ネオリバース」元社長・福原敬済容疑者が業務上横領で指名手配された。
都内の男性から預かったロレックスを無断で売却し、海外へ逃亡。
全国13都府県で44件のトラブルが確認されている。

時計が返却されないトラブル

トラブルになっている腕時計シェアリングサービス「トケマッチ」について、運営会社の元社長の男が警視庁に指名手配された。

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指名手配されたのは「トケマッチ」の運営会社「ネオリバース」の元社長・小湊敬済こと、福原敬済容疑者(42)だ。

福原容疑者は、都内の男性から預かったロレックスの腕時計を2024年1月に無断で大阪の古物商に65万円で売りさばいた業務上横領の疑いが持たれている。

福原容疑者は1月下旬、海外に出国していて、今後、国際手配される見通しだ。

「トケマッチ」は、オーナーから預かった高級腕時計を貸し出すサービスだが、オーナーに時計が返却されないなどのトラブルが13都府県で44件確認されている。

このニュースについて、フジテレビ・上法玄解説委員がお伝えする。

── 1月に海外逃亡していたということだが、なぜこのタイミングでの指名手配となったのだろうか?

被害は全国13都府県に拡大していて、それぞれの警察が捜査を進めていた。その中で、警視庁の捜査が一番早かったと言える。

被害はわかっているだけでも、すでに全国で44件報告されていて、今回ニュースになったこともあって、警察に寄せられる被害件数はさらに増えていくことが予想される。

ブランド時計の高騰が背景に

── 許しがたい事件だが、どのようにして犯行に及んだのだろうか?

福原容疑者は、「高級時計をほかの人に貸すために活用しませんか?」と言葉巧みに誘って時計を預かり、無断で売りさばいていたこの手口は、かなり悪質であると言わざるを得ない。

こうした新たなサービスを始めるとメディアにたびたび登場してアピールしていたのも手口の1つだったと思うと、被害者の怒りは計り知れない。

ただし背景には、ロレックスなどで知られる高級ブランド時計の中古市場の高騰があるとも言える。

こうした高級時計は品薄が続き、材料費の高騰や円安なども相まって数年前から価格が2倍以上に上がっているものもある。今や中古時計は投機の対象にさえなっているともいわれていて、犯罪被害に遭うケースが非常に多発している。

── 犯人は海外逃亡しているが、今後の捜査はどうなるのだろうか?

まず、逃亡犯にパスポートの返納命令を出す。返納命令には期限があり、期日までに返納しない場合には旅券は効力を失う。逃亡犯は旅券がない状態になるので、旅券のない状態の逃亡犯の引き渡しを各国政府に要請する流れをとる。

ガーシー被告のケースであったり、フィリピンの特殊詐欺犯のケースなど、犯罪人引渡条約を結んでいない国であっても、個別の交渉次第で引き渡しが実現する場合もある。

今回捜査を担当するのは警視庁捜査2課で、UAE(アラブ首長国連邦)との間の交渉でガーシー被告引き渡しを実現させた実績があり、まさにエースの登場といえる。
(「イット!」 3月6日放送より)

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