2月22日までに石川県内の被災地で活動したボランティアは述べ3891人。このボランティアについて、アルピニストの野口健さんの「これ程、ボランティアの姿を目にしない被災地は僕の経験上、はじめてです」というポストが話題となった。
その野口さんが26日、実に8回目となる被災地入りし、寝袋を避難所に届けた。野口さんに復興への課題を聞いた。

“ボランティア桁違いに少ない”理由は…

輪島市町野小学校を訪れた、アルピニストの野口健さん。運んできた支援物資を子供たちとリレー形式で運んだ。支援物資には空気で膨らむベッドや寝袋が入っている。

アルピニスト・野口健さんが避難所に
アルピニスト・野口健さんが避難所に
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野口さんが能登半島地震の被災地を訪れるのはこれで8回目。これまでに極寒でも耐えられる寝袋9000個を被災地に届けてきた。避難所の子供からは「(野口さんを)テレビで見たことがあるので会えてうれしかった。早く使いたい」といった声が聞かれた。

野口さんは何度も被災地に足を運ぶ中で、今回の地震で感じた課題を「今回ボランティアがほぼ入っていない、桁違いに少ないと思うんです。ボランティアがステイできる場所があれば…」と指摘する。

これまでに27900人が県が募集したボランティアに登録しているにもかかわらず、実働はたったの延べ3800人余りしかいないのだ。

滞在して活動できるよう宿泊場所確保へ

24日に珠洲市を訪れたボランティアは、77歳の女性が住んでいた家で11時半ごろから家財の運び出しを始めた。作業が終わったのは午後3時。珠洲市には一般のボランティアが宿泊できる施設がなく、金沢市に泊まったり、日帰りで帰ったりするため活動時間が限られている。

2階はまだ手つかずの状態。後日、別のボランティアが片づけを行うという。

岐阜から参加したボランティア:
近いところに泊まれるところがあれば移動時間がもうちょっと作業に充てられるのかなと思うんですけど、やっぱり今この周りの状況を見てるとボランティアが入って泊まったり宿泊したりする場所も正直確保できないのが現状だろうなとは思うので

ボランティアの宿泊場所を確保しようとアウトドアメーカーのモンベルは先週、珠洲市の鉢ヶ崎オートキャンプ場にテント50張りを設置。さらに野口さんも、七尾市と協力して3月上旬にも能登島にボランティア用のテント村を設置する予定だ。

野口健さん:
200~300人の宿泊する施設が作業としては一日でできる。(テント村に)ボランティアが滞在して活動していくということをしなければいけない

まもなく地震発生から2カ月、ボランティアの大量増員で遅れていた復旧作業が軌道に乗ることが期待される。

(石川テレビ)

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