愛媛県が調査した過去8年間に愛媛に「移住」してきた人の数は年々増加していて、2022年度は前の年度より1.5倍近くの7,162人と過去最多を更新した。
こうした中、県内でも特に移住者が増加傾向となっている市町の一つが「西予市」だ。西予市に移住したある女性を通し移住者獲得への糸口を探った。

地元に帰ると気付く“距離感の良さ”

神奈川・藤沢市出身のシーバース玲名さん(30)は、西日本豪雨の復興支援のため、2019年に西予市の地域おこし協力隊として西予市野村町に移住してきた。

西予市野村町に移住してきたシーバース玲名さん
西予市野村町に移住してきたシーバース玲名さん
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西予市野村町に移住・シーバース玲名さん:
7月豪雨災害があって、その時に野村町に支援活動にNPOの職員として来た。(豪雨から)時間がたつにつれて困りごとが見えにくくなってきたりするので、どうやって地域の人から拾い上げて、行政や社会福祉協議会につないで行くかというところ。

協力隊として活動する中で、野村のまちと人にほれ込んだシーバースさんは、多くの人にその魅力を知ってもらいたいと、当初から夢の一つだった古民家でのゲストハウスとバーをオープンさせた。

西予市野村町に移住・シーバース玲名さん:
(地元の)神奈川帰ったりすると、なおさらこっちの距離感の良さに気付くっていうか、「家族」みたいな感じですかね。

西予市の転入者数は回復傾向に

移住して4年余りとなったシーバースさんに大きな転機が訪れた。復興活動を通して知り合った地元出身の井関陣作さん(30)と昨年結婚。さらに長女・結南ちゃん(0)も誕生し、野村はシーバースさんにとってさらに大事な場所になった。

シーバースさんの夫・井関陣作さんと娘の結南ちゃん
シーバースさんの夫・井関陣作さんと娘の結南ちゃん

夫・井関陣作さん:
めっちゃ野村になじんでるし。まぁただの酒好きというか。自分たちには「どういうことをやれば町のためになるんだろう」って思いつかないけど、移住者はこういう新しい風を持ってきてくれる。

野村町を含む西予市に転入した人の数の2022年度までの過去10年の推移を見てみると、西日本豪雨の翌年、19年度にはコロナ禍で人の動きが鈍くなったものの、その後は一転、回復傾向になっている。西予市は「コロナ禍を経たライフスタイルの変化で、都会から田舎へ移住したい人が増えた」事などが影響しているのではないかとみている。

地域を「尊重」する気持ち育む政策を

西予市野村町に移住・シーバース玲名さん:
私はずっと思ってるのは地元の人たちをちゃんと理解して、地域のことを尊重して、愛媛に来たからには、愛媛の持ってる魅力っていうのをしっかり理解して、それを生かして、自分の好きなこととか自分のやりたいことを積極的に行動・活動して地域に刺激を与える。

「移住者」としてこれから住むまちを「尊重」する。そういった気持ちを育んでもらえるような政策を行政が積極的に打ち出せば、移住に興味を示す人がさらに増えるのではとシーバースさんは話す。

西予市野村町に移住・シーバース玲名さん:
(地域おこし)協力隊は国からお金が出る。同じようなことって、やろうと思ったらできるのかなと思って。こういう家族募集みたいな。地域の人に求められている人材を地元の人がほしいと思うから、そこがうまくマッチして、そのうえで(自治体から)お金もサポートが受けられる方がお互いにはいいのかなと。

(テレビ愛媛)

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