サッカー日本代表の伊東純也選手が、性被害を刑事告訴した女性2人に2億円の損害賠償を求める民事裁判を起こした。
■伊東選手は報道後に日本代表離脱 スポンサー契約は打ち切りに

19日、大阪地方裁判所に入った伊東純也選手の代理人弁護士。
伊東選手の代理人弁護士:伊東純也として、女性2人に対して2億円の損害賠償を求める訴訟を提起しました。一刻も早い名誉回復が大事になってきます。選手生命は限られていますので
伊東純也選手(30)をめぐっては去年6月、女性2人が大阪市内のホテルで同意なく性的な行為をされたとして、刑事告訴している。女性2人の証言を基にした報道が週刊誌でされたことで、伊東選手は今月2日、カタールで開かれたアジアカップで日本代表から離脱した。
これに対し、伊東選手は、「全くのでっちあげ」として虚偽告訴の疑いで女性2人を刑事告訴。告訴状によると「性的暴行を示す物的証拠は一切存在しない」と主張。また、「伊東選手は当日の試合でケガをしていて歩行も容易ではなく、性行為は不可能な状態だった」などとして、女性たちの証言が虚偽だと訴えている。
伊東選手の代理人弁護士:(伊東選手は)アジアカップ離脱の時は、はたから見ていても非常に憔悴していました。最後まで離脱については反対していた。かなり追い詰められているような状態でした

さらに19日、女性2人に対し2億円の損害賠償を求めて民事で裁判を起こした。伊東選手は、虚偽であったとしても真実かのように報道され、社会的評価が著しく低下したことで、スポンサー契約が直ちに打ち切りとなり、2億円の損害が出たと主張している。
伊東選手の代理人弁護士:女性の告訴を取り下げる目的や示談をさせるプレッシャーではない。いかに客観証拠が矛盾しているか、いかに女性側の告訴が証言しかないか、その証言がいかに矛盾しているか。そして女性側の持っている証拠を明らかにする。それが訴訟の目的であります
■女性側・伊東選手側 双方が刑事告訴する中、伊東選手側が民事でも提訴

女性側、伊東選手側、それぞれが刑事告訴している中での今回の「2億円の損害賠償請求」。 どういう意図があるのだろう。
元大阪地検検事の亀井弁護士は…
亀井正貴弁護士:被害を受けていれば損害賠償請求するのは当然の流れなので、それを早めたということですね。早めたということは、一つには刑事捜査が進行しているが、刑事捜査で得られた証拠は表に出てこない。民事裁判でやると相手側から証拠・主張が出てくるから、向こうの手の内が読めてくる面が一つあると思います
今回の2億円という賠償請求については…
亀井正貴弁護士:これは逸失利益ですから、スポンサー契約を打ち切られたことに伴って、本当は得られるべき利益を失ったということです。ここが立証されるなら普通の話です
■「このタイミングでの提訴は、自信がないとやれない」と専門家

(Q伊東選手側は自信がある?)
亀井正貴弁護士:このタイミングで虚偽告訴をやってるし、このタイミングでの民事訴訟提訴ですからね、自信がないとやれないです。もし伊東さんが準強制性交等致傷で起訴されてしまうとその量刑は重くなります。損害賠償の関係についても同じように増えると思います。だから返ってくる不利益というのは大きすぎる。だけど(提訴を)やったということは自信があるんだろうなと思います
■女性側は「誹謗中傷するようなSNSの投稿で苦しんでいます」
一方、女性側の代理人弁護士は、「被害者らは、いまだに続く被害者らを誹謗中傷するようなSNSの投稿で苦しんでいます。訴訟対応はさせていただく予定ですが、被害者らには伊東氏に金銭賠償を求める意向はなく、適正な刑罰が科されることを求めて刑事告訴を行っておりますので、捜査への協力を第一に考え、行動していく意向です」とコメントしている。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年2月19日放送)