日本中の期待をのせて宇宙に飛び立った「H3ロケット」。1年越しの悲願達成の裏で、成功を支えた大阪の企業からも歓喜の声が聞かれた。

アナウンサー 2月17日:いまリフトオフです。H3の再挑戦。力強い炎、そしてごう音。確かな鼓動が宇宙へと進んでいきます
初号機の失敗から1年を経て、ついに成功したH3ロケットの打ち上げ。

JAXA 岡田匡史プロジェクトマネージャー:皆さん、本当にお待たせいたしました。ようやくH3がオギャアと産声を上げることができました
■大阪のバネ製造会社 緊張してロケットの発射を見守る

大阪市の「東海バネ工業」。H3ロケットは機体を分離させる際、東海バネ工業が作った「バネの押す力」だけでロケットを切り離す。
去年は全社一丸でパブリックビューイングを開催したが打ち上げ失敗。今年は自宅からロケットの発射を見守った。
東海バネ工業 夏目直一代表取締役:テレビを見ていて、涙腺と戦いながら拝見させていただいた。私どものバネも第1エンジン、第2エンジンに採用いただいてますし、ロケットの切り離しも関与しておりますので、最終的にうまくいったという報道がなされるまでは、本当に緊張してました

去年の打ち上げ失敗の瞬間に、ショックのあまり呆然としていた幹部は…
東海バネ工業 渡辺秀治取締役:深酒が過ぎまして。カウントダウンの1分ぐらい前、ギリギリに起きて、やっと見れた。
(Q打ち上げ成功で目が覚めた?)そうですね。そのあと歯磨いて顔洗った。その瞬間は去年の失敗のことを思い出しましたかね。本当に安心したっていうのが正直な気持ちかなと思います
■宇宙ビジネスで日本の国際競争力を高める大きな1歩

H3ロケットの打ち上げ成功で、宇宙ビジネスはどう変わるのだろうか?
ロケット工学の研究者 大阪産業大学 田原弘一教授:宇宙ビジネスとしては欧米と肩を並べると。競合することが可能になった
H3ロケットは、従来のH2Aロケットの半分の打ち上げコストを目指して開発されたもので、今回の打ち上げ成功は、日本の国際競争力を高める大きな1歩になるという。
ロケット工学の研究者 大阪産業大学 田原弘一教授:月に住む時代が数十年先には、やってくるわけです。月にたくさんの物資を輸送することが必要不可欠になってくるわけです。そのときにH3ロケットも活躍の場が当然出てくる
今回の打ち上げ成功で、日本のロケットが大きく前進することとなった。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年2月19日放送)