2月16日から石川・小松市で活動している、DHEAT(=災害時健康危機管理支援チーム)。避難生活を送る人に深く関わる重要な役割を担っている。山形県内からは合わせて2チームが派遣され29日まで活動する。

山形から“DHEAT”派遣

能登半島地震の発生後、被災した石川県には様々な「支援チーム」が派遣され、活動している。

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DMAT(=災害派遣医療チーム)は県内から合わせて14班。DPAT(=災害派遣精神医療チーム)は1班が、被災地へ派遣され活動した。

そして、2月16日から石川・小松市で活動するのが、DHEAT(=災害時健康危機管理支援チーム)だ。山形県内からDHEATの派遣は初めてで、避難生活を送る人に深く関わる重要な役割を担う。

今回、県内から初めてDHEATとして派遣される最上保健所の鈴木恵美子所長。医師でもある鈴木所長と保健師、そして、薬剤師の3人1チームが16日から能登半島地震の被災地で活動する。

最上保健所・鈴木恵美子所長:
これまで机上の研修・訓練に参加して頭では、理解していたつもりでも、実際の現場は全くの初めて。DHEATは被災した自治体の健康危機管理部門の機能を支援するための派遣チーム。

DHEATの“大きな任務”

DHEATは東日本大震災の教訓から発足したもの。大規模な災害では避難生活を送る人が多くなり、地元の保健所の職員だけで、被災者の健康状態を把握することが難しくなる。それをサポートするのがDHEATで、今回、鈴木所長のチームは多くの高齢者が2次避難している石川・小松市の南加賀保健所をサポートする。

最上保健所・鈴木恵美子所長:
避難者の健康観察は、全国から保健師のチームが集まって避難所を巡回しているし、医療チームとして医師会などのチームも協力しているが、そうした「資源のばらつき・ミスマッチ」を調整すること。あとは、福祉のニーズ・介護のニーズを調査して把握して、どこで足りていないかをまとめて、地元の自治体・保健所と情報共有して調整していく。

すでに活動した、ほかの県のDHEATからの「申し送り」では、地震の発生から40日以上がたっても混乱は続いていて、どこに誰が避難しているかや、避難者の年齢・人数・介護度など正確な情報把握は「大変な作業」だという。

加えて、石川県内の2次避難所では、2月末を滞在の期限としている施設もあり、今回のタイミングの派遣は被災者の生活により深く関わることになる。

最上保健所・鈴木恵美子所長:
輪島市中心に壊滅的な状況でなかなか住んでいたところに戻ることは難しい中で、いつまでも2次避難所にいることもできない。仮住まいを決めてもらう作業の手伝いも大きな任務になってくると感じている

DHEATの鈴木所長「使命果たす」

県内からは合わせて2チームが派遣され、2月29日まで活動する。

初めての派遣に「緊張もある」と言うが、鈴木所長が感じているのは「強い使命感」だ。

最上保健所・鈴木恵美子所長:
何よりも能登の皆さんが、少しでも健康に安定した安心した暮らしをこれから続けていけるように支援したい。DHEATの一番の目的は、防ぎえる死亡をなくすこと、そして、二次的な健康被害を少しでも小さくすること。その使命を果たせるように頑張ってきたい

鈴木所長は「能登半島地震の被災地と山形県は、山間部や高齢者が多いなど共通点が多い。山形県の被災に備えてノウハウをしっかり習得してきたい」と話していた。

(さくらんぼテレビ)

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