自家用車を使って一般のドライバーが有料で客を運ぶサービス「ライドシェア」。海外では利用者が拡大している。タクシードライバー不足を背景に、政府も4月から都市部や観光地で「日本版ライドシェア」を解禁する。現在、詳しい内容を検討しているが、タクシー会社が運転手の教育、運行管理を担い、配車アプリを使って依頼する形となる見込みだ。長野県内屈指の観光地・軽井沢町は県内で初めて導入することを決め、2月14日、タクシー協会と配車アプリの会社と協定を結んだ。

「日本版ライドシェア」のイメージ
「日本版ライドシェア」のイメージ
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軽井沢で県内初「ライドシェア」

海外からの観光客も多く訪れている軽井沢。

観光客の回復によるタクシー不足を受け、軽井沢で新たな取り組みが始まろうとしている。

その取り組みとは「日本型ライドシェア」。

町は14日、タクシー協会、アプリの運営会社などと協定を結び県内で初めてゴールデンウィークから「日本版ライドシェア」を導入すると発表した。

軽井沢タクシー協会の松葉和彦会長は、「ライドシェアドライバーを雇用し、供給の絶対量を増やし、タクシーの不足を補う」と述べた。

軽井沢タクシー協会・松葉和彦会長
軽井沢タクシー協会・松葉和彦会長

観光客回復もタクシードライバー足りず

背景にあるのは観光客の回復とタクシードライバー不足。

町によると2023年7月・8月の観光客はおよそ300万人でコロナ禍前の8割程度まで回復した。

一方、タクシードライバーは減少。現在、町内5つの会社でタクシーは135台。需要に対応できない状態となっている。

松葉会長は、「世間からは『軽井沢はタクシーが捕まらない』『電話しても相当な時間がかかる』と言われている。軽井沢町におけるタクシーの供給不足の現状を何とか打破したい」と話した。

「旧軽銀座通り」(2023年7月)
「旧軽銀座通り」(2023年7月)

安全面など不安の声も

日本版ライドシェアの導入に観光客は歓迎する一方で、「事故が起きた場合にどう対応するのか」、「便利になると思うが、怖い部分も」など安全面などへの不安の声も聞かれた。

協定ではタクシー会社が一般ドライバーの教育、運行管理をしっかりと行うとしている。

また、道をよく知る町職員のOBなどにも声をかけ、ドライバー確保に努める。運行台数などは今後決めるという。

長野県軽井沢町
長野県軽井沢町

松葉会長は、「タクシーが不足している以上、ライドシェアに頼らないといけない。日本版ライドシェアを入れることで供給量が増える。事業者と利用者ウィンウィンにいくとありがたい」と、期待している。

県のタクシー協会は軽井沢町以外でも導入を検討している。特に白馬エリアはドライバーが不足していて今後、国が詳細なルールを決めた後、議論を進めたいという。

軽井沢で「日本版ライドシェア」導入へ
軽井沢で「日本版ライドシェア」導入へ

(長野放送)

長野放送
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